陰符経 / 中篇・富國安民演法章・人知其神
人知其神而神,不知不神而所以神也。日月有數,大小有定。聖功生焉,神明出焉。其盜機也,天下莫能見,莫能知。君子得之固躬,小人得之輕命。
新字:人知其神而神,不知不神而所以神也。日月有数,大小有定。聖功生焉,神明出焉。其盗機也,天下莫能見,莫能知。君子得之固躬,小人得之軽命。
書き下し
人は其の神を知りて神とし、不神にして神なる所以を知らず。 日月に数有り、大小に定まり有り。 聖功ここに生じ、神明ここに出ず。 其の機を盗むや、天下、能く見る莫く、能く知る莫し。 君子は之を得て躬を固くし、小人は之を得て命を軽んず。
現代語訳
人は神妙なものを神妙だと知っていますが、神妙に見えないものが、なぜ神妙なのかは知りません。 日月の運行には決まった数があり、大小にも定まりがあります。 聖人の功はここから生まれ、神明の知恵はここから出てきます。 そのはたらきの要を盗むやり方は、天下に見える者も知る者もいません。 君子はこれを得て身を固く守り、小人はこれを得て命を軽んじます。
解説
目立つ現象だけを不思議がり、目立たない当たり前のはたらきの深さには気づかない、という指摘から始まります。日月のめぐりには定まった数と秩序があり、そこから大きな成果や知恵が生まれると説きます。末尾は、同じ知識を手にしても、君子は身を慎み、小人は命を軽んじるという対比です。成立当時の身分観が表れた言い方ですが、現代なら力や知識を持った人の責任の話として読めます。ノウハウは使い手の姿勢で、毒にも薬にもなります。地味な日課の価値に、自分は気づけているでしょうか。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
神不神日月の数聖功機君子と小人
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文子・精誠老子曰く、天は日月を設け、星辰を列ね、四時を張り、陰陽を調う。日以て之を暴し、夜以て之を息わせ、風以て之を乾かし、雨露以て之を濡す。其の物を生ずるや、其の養う所を見ずして万物長じ、其の物を殺すや、其の喪う所を見ずして万物亡ぶ。此を神明と謂う。是の故に聖人は之に象る。其の福を起こすや、其の所以を見ずして福起こり、其の禍を除くや、其の由る所を見ずして禍除かる。之を稽うれども得ず、之を察すれども虚しからず、日に計れば足らず、歳に計れば余り有り、寂然として声無く、一言にして大いに天下を動かす。是れ天心の動化する者なり。故に精誠内に形われ、気天に動く。景星見われ、黄龍下り、鳳皇至り、醴泉出で、嘉穀生じ、河は満溢せず、海は波涌せず。天に逆い物を暴すれば、即ち日月薄蝕し、五星行を失い、四時相い乗り、昼冥く宵光り、山崩れ川涸れ、冬に雷し夏に霜ふる。天の人に与するや、以て相い通ずる有り。故に国の沮亡するや、天文変じ、世俗乱れ、虹蜺見われ、万物以て相い連なる有り、精気以て相い薄る有り。故に神明の事は、智巧を以て為す可からず、強力を以て致す可からず。故に大人は天地と徳を合わせ、日月と明を合わせ、鬼神と霊を合わせ、四時と信を合わせ、天心を懐き、地気を抱き、沖を執り和を含み、堂を下りずして四海を行き、習俗を変易し、民化して善に遷ること、諸れを己に生ずるが若し。能く神化を以てする者なり。
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