法華経 / 藥王菩薩本事品第二十三(7)
「宿王華,此經能救一切眾生者,此經能令一切眾生離諸苦惱,此經能大饒益一切眾生,充滿其願。如清涼池、能滿一切諸渴乏者,如寒者得火,如裸者得衣,如商人得主,如子得母,如渡得船,如病得醫,如暗得燈,如貧得寶,如民得王,如賈客得海,如炬除暗,此法華經亦復如是,能令眾生離一切苦、一切病痛,能解一切生死之縛。若人得聞此法華經,若自書,若使人書,所得功德,以佛智慧、籌量多少,不得其邊。若書是經卷,華、香、瓔珞、燒香、末香、塗香,幡蓋、衣服,種種之燈,酥燈、油燈、諸香油燈、瞻蔔油燈、須曼那油燈、波羅羅油燈、婆利師迦油燈、那婆摩利油燈、供養,所得功德,亦復無量。」
新字:「宿王華,此経能救一切衆生者,此経能令一切衆生離諸苦悩,此経能大饒益一切衆生,充満其願。如清涼池、能満一切諸渇乏者,如寒者得火,如裸者得衣,如商人得主,如子得母,如渡得船,如病得医,如暗得灯,如貧得宝,如民得王,如賈客得海,如炬除暗,此法華経亦復如是,能令衆生離一切苦、一切病痛,能解一切生死之縛。若人得聞此法華経,若自書,若使人書,所得功徳,以仏智慧、籌量多少,不得其辺。若書是経巻,華、香、瓔珞、焼香、末香、塗香,幡蓋、衣服,種種之灯,酥灯、油灯、諸香油灯、瞻蔔油灯、須曼那油灯、波羅羅油灯、婆利師迦油灯、那婆摩利油灯、供養,所得功徳,亦復無量。」
書き下し
「宿王華よ、この経は能く一切衆生を救う者なり。この経は能く一切衆生をして諸の苦悩を離れしむ。この経は能く大いに一切衆生を饒益し、その願を充満せしむ。清涼の池の、能く一切の渇乏する者を満たすが如く、寒き者の火を得るが如く、裸なる者の衣を得るが如く、商人の主を得るが如く、子の母を得るが如く、渡るに船を得るが如く、病に医を得るが如く、暗に燈を得るが如く、貧に宝を得るが如く、民の王を得るが如く、賈客の海を得るが如く、炬の暗を除くが如く、この法華経も亦復かくの如し。能く衆生をして一切の苦、一切の病痛を離れしめ、能く一切生死の縛を解く。もし人、この法華経を聞くことを得て、もしは自ら書き、もしは人をして書かしめば、得る所の功徳は、仏の智慧を以て、多少を籌量するも、その辺を得ず。もしこの経巻を書きて、華・香・瓔珞・焼香・末香・塗香・幡蓋・衣服、種種の燈、酥燈・油燈・諸の香油燈・瞻蔔油燈・須曼那油燈・波羅羅油燈・婆利師迦油燈・那婆摩利油燈をもって供養せば、得る所の功徳も、亦復無量なり。」
現代語訳
「宿王華よ、この経はあらゆる衆生を救うことができます。この経はあらゆる衆生を苦しみや悩みから離れさせます。この経はあらゆる衆生に大きな利益を与え、その願いを満たします。たとえば、清らかで涼しい池が、渇いて乏しい人を潤すように、寒い人が火を得るように、裸の人が衣を得るように、商人が頼れる主人を得るように、子が母を得るように、川を渡る人が船を得るように、病む人が医者を得るように、暗い所で灯りを得るように、貧しい人が宝を得るように、民が王を得るように、商人が海を得るように、たいまつが闇を除くように、この法華経も同じです。衆生をあらゆる苦しみ、あらゆる病の痛みから離れさせ、生死の束縛を解きます。もし人がこの法華経を聞くことができて、自分で書き、あるいは人に書かせるなら、得る功徳は、仏の智慧で量ってもその果てを知ることができません。もしこの経巻を書き写して、花、香、首飾り、焼香、粉の香、塗る香、旗や天蓋、衣服、さまざまな灯り、酥の灯り、油の灯り、さまざまな香油の灯りなどを供えて供養するなら、得る功徳もまた量り知れません。」
解説

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関連する章句
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法華経・法師品第十(1)爾の時、世尊、薬王菩薩に因りて、八万の大士に告げたまわく、「薬王、汝是の大衆の中の、無量の諸天、竜王、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人と非人、及び比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷、声聞を求むる者、辟支仏を求むる者、仏道を求むる者を見るや。是の如き等の類、咸仏前に於て、妙法華経の一偈一句、乃至一念も随喜する者は、我皆授記を与う、当に阿耨多羅三藐三菩提を得べし。」 仏、薬王に告げたまわく、「又如来の滅度の後に、若し人有りて、妙法華経の乃至一偈一句を聞き、一念も随喜せば、我も亦阿耨多羅三藐三菩提の記を授与す。若し復人有りて、妙法華経を受持し、読誦し、解説し、書写し、乃至一偈をも、此の経巻に於て、敬い視ること仏の如くし、種種に供養し、華、香、瓔珞、末香、塗香、焼香、繒蓋、幢幡、衣服、伎楽、乃至合掌恭敬せば、薬王、当に知るべし、是の諸人等は、已に曽て十万億の仏を供養し、諸仏の所に於て、大願を成就し、衆生を愍れむが故に、此の人間に生ぜり。」 「薬王、若し人有りて問わん、何等の衆生か、未来世に於て、当に作仏することを得べきと。応に是の諸人等は、未来世に於て、必ず作仏することを得べしと示すべし。何を以ての故に。若し善男子、善女人、法華経に於て、乃至一句も、受持し、読誦し、解説し、書写し、種種に経巻を供養し、華、香、瓔珞、末香、塗香、焼香、繒蓋、幢幡、衣服、伎楽、合掌恭敬せば、是の人は、一切世間の応に瞻奉すべき所にして、応に如来の供養を以て之を供養すべし。当に知るべし、此の人は是れ大菩薩にして、阿耨多羅三藐三菩提を成就し、衆生を哀愍して、願って此の間に生まれ、広く妙法華経を演べ分別す。何ぞ況んや尽く能く受持して、種種に供養せんをや。」
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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(6)「宿王華よ、譬えば一切の川流江河、諸水の中に、海を第一と為すが如く、この法華経も亦復かくの如し。諸の如来の所説の経の中において、最も深大なりと為す。又、土山・黒山・小鉄囲山・大鉄囲山、及び十宝山、衆山の中に、須弥山を第一と為すが如く、この法華経も亦復かくの如し。諸経の中において、最も其の上と為す。又、衆星の中に、月天子を最も第一と為すが如く、この法華経も亦復かくの如し。千万億種の諸の経法の中において、最も照明と為す。又、日天子の能く諸の闇を除くが如く、この経も亦復かくの如し。能く一切の不善の闇を破る。又、諸の小王の中に、転輪聖王を最も第一と為すが如く、この経も亦復かくの如し。衆経の中において、最も其の尊と為す。又、帝釈の、三十三天の中の王なるが如く、この経も亦復かくの如し。諸経の中の王なり。又、大梵天王の、一切衆生の父なるが如く、この経も亦復かくの如し。一切の賢聖、学・無学、及び菩薩心を発せる者の父なり。又、一切の凡夫人の中に、須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢・辟支仏を第一と為すが如く、この経も亦復かくの如し。一切如来の所説、もしは菩薩の所説、もしは声聞の所説の、諸の経法の中において、最も第一と為す。能くこの経典を受持する者有らば、亦復かくの如し。一切衆生の中において、亦第一と為す。一切の声聞・辟支仏の中に、菩薩を第一と為すが如く、この経も亦復かくの如し。一切の諸経法の中において、最も第一と為す。仏の諸法の王たるが如く、この経も亦復かくの如し。諸経の中の王なり。」
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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(9)「宿王華よ、汝、当に神通の力を以て、この経を守護すべし。所以は何ん。この経は則ち閻浮提の人の、病の良薬と為せばなり。もし人に病有らんに、この経を聞くことを得ば、病は即ち消滅し、不老不死ならん。宿王華よ、汝もし受持するこの経有る者を見ば、応に青蓮華を以て、末香を盛り満たして、その上に供散し、散じ已りて、この念を作すべし。『この人は久しからずして、必ず当に草を取りて道場に坐し、諸の魔軍を破り、当に法螺を吹き、大法鼓を撃ち、一切衆生を、老病死の海より度脱すべし。』と。この故に仏道を求むる者、この経典を受持する人有るを見ば、応当にかくの如く恭敬の心を生ずべし。」 薬王菩薩本事品を説きたもう時、八万四千の菩薩、一切衆生語言陀羅尼を解することを得たり。多宝如来、宝塔の中において、宿王華菩薩を讃めて言わく、「善きかな、善きかな、宿王華よ、汝は不可思議の功徳を成就し、乃ち能く釈迦牟尼仏に、かくの如き事を問い、無量の一切衆生を利益せり。」
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法華経・如來神力品第二十一(3)諸仏は世を救う者、大神通に住して、衆生を悦ばしめんが為の故に、無量の神力を現じたもう。舌相は梵天に至り、身より無数の光を放つ。仏道を求むる者の為に、この稀有の事を現じたもう。 諸仏の謦欬の声、及び弾指の声は、周く十方の国に聞こえ、地は皆六種に動ず。仏の滅度の後、能くこの経を持たんが故に、諸仏は皆歓喜して、無量の神力を現じたもう。 この経を嘱累せんが故に、受持する者を讃美すること、無量劫の中にても、猶お尽くすこと能わず。この人の功徳は、無辺にして窮まり有ること無く、十方の虚空の、辺際を得べからざるが如し。 能くこの経を持たん者は、則ち已に我を見、亦多宝仏、及び諸の分身の者を見、又我が今日、諸の菩薩を教化するを見るなり。能くこの経を持たん者は、我及び分身、 滅度の多宝仏をして、一切皆歓喜せしむ。十方の現在の仏、並びに過去未来をも、亦見、亦供養し、亦歓喜を得せしむ。諸仏の道場に坐して、得たまう所の秘要の法を、 能くこの経を持たん者は、久しからずして亦当に得べし。能くこの経を持たん者は、諸法の義、名字及び言辞において、楽説窮まり尽くること無く、風の空中におけるが如く、一切障礙無けん。 如来の滅後に、仏の説きたまう所の経の、因縁及び次第を知り、義に随って如実に説かんこと、日月の光明の、能く諸の幽冥を除くが如くならん。この人、世間に行じて、能く衆生の闇を滅し、 無量の菩薩を教えて、畢竟して一乗に住せしめん。この故に智有る者は、この功徳の利を聞かば、我が滅度の後において、応にこの経を受持すべし。この人は仏道において、決定して疑い有ること無けん。
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法華経・安樂行品第十四(9)常に忍辱を行じ、一切を哀愍して、乃ち能く仏の讃めたもう所の経を演説せよ。後の末世の時、此の経を持たん者には、家と出家と、及び菩薩に非ざるとに、 応に慈悲を生ずべし。斯れ等は是の経を聞かず、信ぜざれば、則ち大いなる失を為す。我、仏道を得て、諸の方便を以て、為に此の法を説き、其の中に住せしめん。 譬えば強力の、転輪の王の、兵戦いて功有るに、諸物を賞賜するが如し。象・馬・車乗、厳身の具、及び諸の田宅、聚落・城邑、 或いは衣服、種種の珍宝、奴婢・財物を、歓喜して賜与す。如し勇健にして、能く難事を為す者有らば、王は髻中の明珠を解きて之に賜う。 如来も亦た爾り、諸の法王として、忍辱の大力、智慧の宝蔵あり、大慈悲を以て、法の如く世を化す。一切の人の、諸の苦悩を受くるを見て、 解脱を求めんと欲して、諸魔と戦う。是の衆生の為に、種種の法を説き、大方便を以て、此の諸経を説けり。既に衆生の、其の力を得已るを知りて、 末後に乃ち為に、是の法華を説く。王の髻を解きて、明珠を之に与うるが如し。此の経は尊と為し、衆経の中の上なり。我れ常に守護して、妄りに開示せず。 今正に是れ時なり、汝等の為に説く。我が滅度の後、仏道を求むる者の、安穏に、斯の経を演説せんと欲せば、応当に是の如き四法に親近すべし。 是の経を読む者は、常に憂悩無く、又た病痛無く、顔色鮮白にして、貧窮・卑賤・醜陋に生ぜず。衆生は見んことを楽うこと、賢聖を慕うが如し。 天の諸の童子は、以て給使と為り、刀杖も加えず、毒も害すること能わず、若し人悪しく罵らば、口は則ち閉塞し、遊行して畏れ無きこと、師子王の如し。
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法華経・法師品第十(3)若し仏道に住して、自然智を成就せんと欲せば、常に当に勤めて、法華を受持する者を供養すべし。其れ疾く一切種智慧を得んと欲すること有らば、当に是の経を受持し、並びに持者を供養すべし。 若し能く、妙法華経を受持する者有らば、当に知るべし、仏の所使にして、諸の衆生を愍念すと。諸有る能く妙法華経を受持する者は、清浄の土を捨てて、衆を愍れむが故に此に生ず。 当に知るべし、是の如き人は、自在に生ぜんと欲する所にして、能く此の悪世に於いて、広く無上の法を説く。応に天の華香、及び天の宝衣服、天上の妙宝聚を以て、説法者を供養すべし。 吾が滅後の悪世に、能く是の経を持つ者をば、当に合掌して礼敬すること、世尊を供養するが如くすべし。上饌・衆の甘美、及び種種の衣服をもて、是の仏子を供養し、冀わくは須臾も聞くことを得ん。 若し能く後世に、是の経を受持せん者は、我、遣わして人中に在りて、如来の事を行ぜしむ。若し一劫の中に、常に不善の心を懐き、色を作して仏を罵らば、無量の重罪を獲ん。 其れ是の法華経を読誦し持つこと有らん者を、須臾も悪言を加えば、其の罪、復た彼に過ぎん。人有りて仏道を求め、而も一劫の中に、合掌して我が前に在り、無数の偈を以て讃えんに、 是の仏を讃うるに由るが故に、無量の功徳を得ん。持経者を歎美せば、其の福、復た彼に過ぎん。八十億劫に於いて、最妙の色・声、及び香・味・触を以て、持経者を供養せんに、 是の如く供養し已って、若し須臾も聞くことを得ば、則ち応に自ら欣慶すべし、我、今、大利を獲たりと。藥王、今汝に告ぐ、我が説く所の諸経の中に於いて、此の経の中に、法華最も第一なり。 爾の時、仏、復た藥王菩薩摩訶薩に告げたまわく、「我が説く所の経典は、無量千万億にして、已に説き、今説き、当に説かん。而も其の中に於いて、此の法華経は、最も難信難解なり。藥王、此の経は是れ諸仏の秘要の蔵なり。分布して、妄りに人に授与すべからず。諸仏世尊の守護したもう所にして、昔より已来、未だ曽て顕説せず。而も此の経は、如来の現在すら、猶お怨嫉多し。況んや滅度の後をや。」