法華経 / 藥王菩薩本事品第二十三(8)
「宿王華,若有人、聞是藥王菩薩本事品者,亦得無量無邊功德。若有女人、聞是藥王菩薩本事品,能受持者,儘是女身,後不復受。若如來滅後、後五百歲中,若有女人、聞是經典,如說修行,於此命終,即往安樂世界,阿彌陀佛、大菩薩眾,圍繞住處,生蓮華中,寶座之上,不復為貪欲所惱,亦復不為瞋恚愚癡所惱,亦復不為憍慢嫉妒諸垢所惱,得菩薩神通、無生法忍。得是忍已,眼根清淨,以是清淨眼根,見七百萬二千億那由他恒河沙等諸佛如來。是時諸佛遙共讚言:『善哉、善哉,善男子,汝能於釋迦牟尼佛法中、受持讀誦思惟是經,為他人說,所得福德、無量無邊,火不能燒,水不能漂,汝之功德,千佛共說、不能令盡。汝今已能破諸魔賊,壞生死軍,諸餘怨敵、皆悉摧滅。善男子,百千諸佛,以神通力、共守護汝,於一切世間、天人之中,無如汝者,惟除如來,其諸聲聞、辟支佛、乃至菩薩,智慧禪定、無有與汝等者。』宿王華,此菩薩成就如是功德智慧之力。」 「若有人聞是藥王菩薩本事品,能隨喜讚善者,是人現世、口中常出青蓮華香,身毛孔中常出牛頭栴檀之香,所得功德,如上所說。是故宿王華,以此藥王菩薩本事品、囑累於汝,我滅度後、後五百歲中,廣宣流布於閻浮提,無令斷絕,惡魔、魔民、諸天龍、夜叉、鳩槃荼等,得其便也。」
新字:「宿王華,若有人、聞是薬王菩薩本事品者,亦得無量無辺功徳。若有女人、聞是薬王菩薩本事品,能受持者,儘是女身,後不復受。若如来滅後、後五百歳中,若有女人、聞是経典,如説修行,於此命終,即往安楽世界,阿弥陀仏、大菩薩衆,囲繞住処,生蓮華中,宝座之上,不復為貪欲所悩,亦復不為瞋恚愚痴所悩,亦復不為憍慢嫉妬諸垢所悩,得菩薩神通、無生法忍。得是忍已,眼根清浄,以是清浄眼根,見七百万二千億那由他恒河沙等諸仏如来。是時諸仏遥共讃言:『善哉、善哉,善男子,汝能於釈迦牟尼仏法中、受持読誦思惟是経,為他人説,所得福徳、無量無辺,火不能焼,水不能漂,汝之功徳,千仏共説、不能令尽。汝今已能破諸魔賊,壊生死軍,諸余怨敵、皆悉摧滅。善男子,百千諸仏,以神通力、共守護汝,於一切世間、天人之中,無如汝者,惟除如来,其諸声聞、辟支仏、乃至菩薩,智慧禅定、無有与汝等者。』宿王華,此菩薩成就如是功徳智慧之力。」 「若有人聞是薬王菩薩本事品,能随喜讃善者,是人現世、口中常出青蓮華香,身毛孔中常出牛頭栴檀之香,所得功徳,如上所説。是故宿王華,以此薬王菩薩本事品、囑累於汝,我滅度後、後五百歳中,広宣流布於閻浮提,無令断絶,悪魔、魔民、諸天竜、夜叉、鳩槃荼等,得其便也。」
書き下し
「宿王華よ、もし人有りて、この薬王菩薩本事品を聞かば、亦無量無辺の功徳を得ん。もし女人有りて、この薬王菩薩本事品を聞きて、能く受持せば、この女身を尽くして、後に復受けざらん。もし如来の滅後、後の五百歳の中に、もし女人有りて、この経典を聞き、説の如く修行せば、ここにして命終し、即ち安楽世界、阿弥陀仏・大菩薩衆の、囲繞せる住処に往き、蓮華の中の宝座の上に生まれん。復貪欲に悩まされず、亦復瞋恚・愚癡に悩まされず、亦復憍慢・嫉妬の諸垢に悩まされず、菩薩の神通、無生法忍を得ん。この忍を得已りて、眼根清浄ならん。この清浄の眼根を以て、七百万二千億那由他恒河沙等の諸仏如来を見ん。この時、諸仏は遙かに共に讃えて言わん、『善きかな、善きかな、善男子よ。汝能く釈迦牟尼仏の法の中において、この経を受持し、読誦し、思惟し、他人のために説く。得る所の福徳は無量無辺なり。火も焼くこと能わず、水も漂わすこと能わず。汝の功徳は、千仏共に説くも、尽くさしむること能わず。汝今已に能く諸の魔賊を破り、生死の軍を壊し、諸余の怨敵、皆悉く摧滅せり。善男子よ、百千の諸仏、神通力を以て、共に汝を守護したもう。一切世間の天・人の中において、汝の如き者無く、ただ如来を除きて、その諸の声聞・辟支仏、乃至菩薩の、智慧禅定、汝と等しき者有ること無し。』宿王華よ、この菩薩は、かくの如き功徳智慧の力を成就せり。」 「もし人有りて、この薬王菩薩本事品を聞きて、能く随喜し讃善せば、この人は現世に、口の中に常に青蓮華の香を出だし、身の毛孔の中に常に牛頭栴檀の香を出だす。得る所の功徳は上に説く所の如し。この故に宿王華よ、この薬王菩薩本事品を以て、汝に嘱累す。我が滅度の後、後の五百歳の中に、広く閻浮提に宣流布して、断絶せしむること無かれ。悪魔・魔民・諸の天・竜・夜叉・鳩槃荼等に、其の便りを得しむること無かれ。」
現代語訳
「宿王華よ、もし人がこの薬王菩薩本事品を聞くなら、その人も限りない功徳を得ます。もし女性がこの薬王菩薩本事品を聞いて受持するなら、この女の身を最後として、再び受けることはありません。もし如来の滅後、後の五百年のうちに、女性がこの経典を聞き、説かれたとおりに修行するなら、この世で命を終えたのち、ただちに安楽世界、阿弥陀仏と大菩薩たちが囲む住処に行き、蓮の花の中の宝の座に生まれます。もはや貪りの心に悩まされず、怒りや愚かさにも悩まされず、おごりや嫉妬の汚れにも悩まされず、菩薩の神通と、無生法忍を得ます。この忍を得たのち、眼の働きが清らかになります。その清らかな眼で、七百万二千億那由他恒河沙もの数の諸仏如来を見ます。そのとき諸仏は遠くから共に讃えて言います。『素晴らしい、素晴らしい、善男子よ。あなたは釈迦牟尼仏の教えのなかで、この経を受持し、読誦し、思い巡らし、他の人のために説いた。得た福徳は限りない。火も焼けず、水も流せない。あなたの功徳は、千の仏が共に説いても、説き尽くせない。あなたは今、すでに魔の賊を破り、生死の軍を打ち壊し、あらゆる敵をことごとく滅ぼした。善男子よ、百千の仏が神通力で共にあなたを守っている。すべての世間の天や人のなかで、あなたのような人はなく、ただ如来を除いて、声聞や辟支仏、さらに菩薩であっても、智慧と禅定があなたに等しい人はいない。』宿王華よ、この菩薩は、このような功徳と智慧の力を成し遂げたのです。」 「もし人がこの薬王菩薩本事品を聞いて、喜び讃えるなら、その人は現世で、口から常に青い蓮の香りを出し、身体の毛穴から常に牛頭栴檀の香りを出します。得る功徳は上に説いたとおりです。だから宿王華よ、この薬王菩薩本事品を、あなたに託します。私の滅後の後の五百年のうちに、広く閻浮提に説き広め、絶やしてはいけません。悪魔、魔の民、天や竜、夜叉、鳩槃荼などに、付け入る隙を与えてはいけません。」
解説

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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(9)「宿王華よ、汝、当に神通の力を以て、この経を守護すべし。所以は何ん。この経は則ち閻浮提の人の、病の良薬と為せばなり。もし人に病有らんに、この経を聞くことを得ば、病は即ち消滅し、不老不死ならん。宿王華よ、汝もし受持するこの経有る者を見ば、応に青蓮華を以て、末香を盛り満たして、その上に供散し、散じ已りて、この念を作すべし。『この人は久しからずして、必ず当に草を取りて道場に坐し、諸の魔軍を破り、当に法螺を吹き、大法鼓を撃ち、一切衆生を、老病死の海より度脱すべし。』と。この故に仏道を求むる者、この経典を受持する人有るを見ば、応当にかくの如く恭敬の心を生ずべし。」 薬王菩薩本事品を説きたもう時、八万四千の菩薩、一切衆生語言陀羅尼を解することを得たり。多宝如来、宝塔の中において、宿王華菩薩を讃めて言わく、「善きかな、善きかな、宿王華よ、汝は不可思議の功徳を成就し、乃ち能く釈迦牟尼仏に、かくの如き事を問い、無量の一切衆生を利益せり。」
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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(1)その時、宿王華菩薩、仏に白して言さく、「世尊よ、薬王菩薩は、云何が娑婆世界に遊びたまえるや。世尊よ、この薬王菩薩は、若干百千万億那由他の難行苦行有り。善きかな、世尊よ、願わくは少しく解説したまえ。」諸天・竜・神・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽・人・非人等、又他国土より諸来の菩薩、及びこの声聞衆、聞きて皆歓喜せり。 その時、仏、宿王華菩薩に告げたまわく、「乃往過去、無量恒河沙劫に、仏有り、日月浄明徳如来・応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊と号したてまつる。その仏に八十億の大菩薩摩訶薩、七十二恒河沙の大声聞衆有り。仏の寿は四万二千劫、菩薩の寿命も亦等し。かの国には女人・地獄・餓鬼・畜生・阿修羅等、及び以て諸難有ること無し。地は平らかなること掌の如く、琉璃の成す所にして、宝樹荘厳し、宝帳その上を覆い、宝華の幡を垂れ、宝瓶・香炉、国界に周遍す。七宝を台と為し、一樹に一台、その樹と台と去ること、尽く一箭道なり。これらの諸の宝樹には、皆菩薩・声聞有りて、その下に坐し、諸の宝台の上には、各百億の諸天有りて、天の伎楽を作し、仏を歌歎して、以て供養を為せり。」
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法華経・法師品第十(1)爾の時、世尊、薬王菩薩に因りて、八万の大士に告げたまわく、「薬王、汝是の大衆の中の、無量の諸天、竜王、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人と非人、及び比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷、声聞を求むる者、辟支仏を求むる者、仏道を求むる者を見るや。是の如き等の類、咸仏前に於て、妙法華経の一偈一句、乃至一念も随喜する者は、我皆授記を与う、当に阿耨多羅三藐三菩提を得べし。」 仏、薬王に告げたまわく、「又如来の滅度の後に、若し人有りて、妙法華経の乃至一偈一句を聞き、一念も随喜せば、我も亦阿耨多羅三藐三菩提の記を授与す。若し復人有りて、妙法華経を受持し、読誦し、解説し、書写し、乃至一偈をも、此の経巻に於て、敬い視ること仏の如くし、種種に供養し、華、香、瓔珞、末香、塗香、焼香、繒蓋、幢幡、衣服、伎楽、乃至合掌恭敬せば、薬王、当に知るべし、是の諸人等は、已に曽て十万億の仏を供養し、諸仏の所に於て、大願を成就し、衆生を愍れむが故に、此の人間に生ぜり。」 「薬王、若し人有りて問わん、何等の衆生か、未来世に於て、当に作仏することを得べきと。応に是の諸人等は、未来世に於て、必ず作仏することを得べしと示すべし。何を以ての故に。若し善男子、善女人、法華経に於て、乃至一句も、受持し、読誦し、解説し、書写し、種種に経巻を供養し、華、香、瓔珞、末香、塗香、焼香、繒蓋、幢幡、衣服、伎楽、合掌恭敬せば、是の人は、一切世間の応に瞻奉すべき所にして、応に如来の供養を以て之を供養すべし。当に知るべし、此の人は是れ大菩薩にして、阿耨多羅三藐三菩提を成就し、衆生を哀愍して、願って此の間に生まれ、広く妙法華経を演べ分別す。何ぞ況んや尽く能く受持して、種種に供養せんをや。」
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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(7)「宿王華よ、この経は能く一切衆生を救う者なり。この経は能く一切衆生をして諸の苦悩を離れしむ。この経は能く大いに一切衆生を饒益し、その願を充満せしむ。清涼の池の、能く一切の渇乏する者を満たすが如く、寒き者の火を得るが如く、裸なる者の衣を得るが如く、商人の主を得るが如く、子の母を得るが如く、渡るに船を得るが如く、病に医を得るが如く、暗に燈を得るが如く、貧に宝を得るが如く、民の王を得るが如く、賈客の海を得るが如く、炬の暗を除くが如く、この法華経も亦復かくの如し。能く衆生をして一切の苦、一切の病痛を離れしめ、能く一切生死の縛を解く。もし人、この法華経を聞くことを得て、もしは自ら書き、もしは人をして書かしめば、得る所の功徳は、仏の智慧を以て、多少を籌量するも、その辺を得ず。もしこの経巻を書きて、華・香・瓔珞・焼香・末香・塗香・幡蓋・衣服、種種の燈、酥燈・油燈・諸の香油燈・瞻蔔油燈・須曼那油燈・波羅羅油燈・婆利師迦油燈・那婆摩利油燈をもって供養せば、得る所の功徳も、亦復無量なり。」
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法華経・陀羅尼品第二十六(1)爾の時、薬王菩薩、即ち座より起ち、右の肩を偏袒し、合掌して仏に向かい、而も仏に白して言さく。「世尊、若し善男子、善女人、能く法華経を受持する者有らんに、若しは読誦して通利し、若しは経巻を書写せば、幾所の福を得んや。」仏、薬王に告げたまわく。「若し善男子、善女人有りて、八百万億那由他恒河沙等の諸仏を供養せば、汝が意に於いて云何、其の所得の福、寧ろ多しと為すや否や。」「甚だ多し、世尊。」仏の言わく。「若し善男子、善女人、能く是の経に於いて、乃至一四句偈を受持し、読誦し、義を解して、説の如く修行せば、功徳甚だ多し。」爾の時、薬王菩薩、仏に白して言さく。「世尊、我今当に説法者に陀羅尼呪を与え、以て之を守護すべし。」即ち呪を説いて曰く、 安爾 曼爾 摩禰 摩摩禰 旨隸 遮梨第 賒□ 賒履多瑋 羶帝 目帝 目多履 娑履 阿瑋娑覆 桑履 娑履 叉裔 阿叉裔 阿耆膩 羶帝 賒履 陀羅尼 阿盧伽婆娑簸蔗毗叉膩 禰毗剃 阿便哆邏禰履剃 阿亶哆波隸輸地 漚究隸 牟究隸 阿羅隸 波羅隸 首迦差 阿三磨三履 佛馱毗吉利□帝 達磨波利差帝 僧伽涅瞿沙禰 婆舍婆舍輸地 曼哆邏 曼哆邏叉夜多 郵樓哆 郵樓哆憍舍略 惡叉邏 惡叉冶多冶 阿婆盧 阿磨若那多夜 「世尊、是の陀羅尼神呪は、六十二億恒河沙等の諸仏の所説なり。若し此の法師を侵毀すること有らば、則ち是の諸仏を侵毀し已るなり。」
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法華経・法師品第十(6)爾の時、世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、 諸の懈怠を捨てんと欲せば、応当に此の経を聴くべし。是の経は聞くことを得難く、信受する者も亦た難し。人の渇して水を需め、高原に窄鑿するに、猶お乾燥の土を見て、水を去ること尚お遠きを知り、 漸く湿土の泥を見て、決定して水に近きを知るが如し。藥王、汝当に知るべし、是の如き諸人等は、法華経を聞かざれば、仏智を去ること甚だ遠し。若し是の深経を聞かば、声聞の法を決了す。 是れ諸経の王なり。聞き已って諦らかに思惟せば、当に知るべし、此の人等は、仏の智慧に近し。若し人、此の経を説かば、応に如来の室に入り、如来の衣を著て、如来の座に坐すべし。 衆に処して畏るる所無く、広く為に分別して説け。大慈悲を室と為し、柔和忍辱を衣とし、諸法の空を座と為して、此に処して為に法を説け。若し此の経を説く時、人有りて悪口して罵り、 刀杖・瓦石を加うとも、仏を念ずるが故に応に忍ぶべし。我は千万億土に、清浄堅固の身を現じ、無量億劫に於いて、衆生の為に法を説く。若し我が滅度の後、能く此の経を説かん者には、 我、化の四衆、比丘・比丘尼、及び清信の士女を遣わして、法師を供養し、諸の衆生を引導し、之を集めて法を聴かしめん。若し人、悪を加えんと欲して、刀杖及び瓦石あらば、 則ち変化の人を遣わして、之が為に衛護を作さん。若し説法の人、独り空閑処に在りて、寂寞として人の声無く、此の経典を読誦せば、我、爾の時、為に清浄光明の身を現ぜん。 若し章句を忘失せば、為に説いて通利せしめん。若し人、是の徳を具えて、或いは四衆の為に説き、空処にて経を読誦せば、皆、我が身を見ることを得ん。若し人、空閑に在らば、我、天・竜王、 夜叉・鬼神等を遣わして、為に聴法の衆と作さしめん。是の人は説法を楽い、分別して罣礙無く、諸仏の護念したもうが故に、能く大衆をして喜ばしむ。若し法師に親近せば、速やかに菩薩道を得ん。 是の師に隨順して学ばば、恒沙の仏を見ることを得ん。