法華経 / 藥王菩薩本事品第二十三(2)
「爾時彼佛為一切眾生喜見菩薩、及眾菩薩、諸聲聞眾、說法華經。是一切眾生喜見菩薩,樂習苦行,於日月淨明德佛法中、精進經行,一心求佛、滿萬二千歲已,得現一切色身三昧。得此三昧已,心大歡喜,即作念言,我得現一切色身三昧,皆是得聞法華經力,我今當供養日月淨明德佛、及法華經。即時入是三昧,於虛空中、雨曼陀羅華、摩訶曼陀羅華、細末堅黑栴檀,滿虛空中、如雲而下,又雨海此岸栴檀之香,此香六銖、價值娑婆世界,以供養佛。」
新字:「爾時彼仏為一切衆生喜見菩薩、及衆菩薩、諸声聞衆、説法華経。是一切衆生喜見菩薩,楽習苦行,於日月浄明徳仏法中、精進経行,一心求仏、満万二千歳已,得現一切色身三昧。得此三昧已,心大歓喜,即作念言,我得現一切色身三昧,皆是得聞法華経力,我今当供養日月浄明徳仏、及法華経。即時入是三昧,於虚空中、雨曼陀羅華、摩訶曼陀羅華、細末堅黒栴檀,満虚空中、如雲而下,又雨海此岸栴檀之香,此香六銖、価値娑婆世界,以供養仏。」
書き下し
「その時、かの仏、一切衆生喜見菩薩、及び衆の菩薩、諸の声聞衆のために、法華経を説きたまえり。この一切衆生喜見菩薩は、苦行を習うことを楽い、日月浄明徳仏の法の中において、精進経行し、一心に仏を求め、万二千歳を満たし已りて、現一切色身三昧を得たり。この三昧を得已りて、心大いに歓喜し、即ち念を作さく、我、現一切色身三昧を得たるは、皆これ法華経を聞くことを得たる力なり。我、今当に日月浄明徳仏、及び法華経を供養すべし、と。即時にこの三昧に入りて、虚空の中において、曼陀羅華・摩訶曼陀羅華、細末の堅黒栴檀を雨らし、虚空に満ちて雲の如く下り、又海此岸の栴檀の香を雨らす。この香の六銖は、価値娑婆世界なり。以て仏に供養せり。」
現代語訳
「そのとき、その仏は、一切衆生喜見菩薩と、多くの菩薩、声聞たちのために、法華経を説かれた。この一切衆生喜見菩薩は、苦行を学ぶことを好み、日月浄明徳仏の教えのなかで、懸命に励み、歩みながら修行し、一心に仏の道を求め、一万二千年が満ちたとき、現一切色身三昧という境地を得た。この三昧を得て、心は大いに喜び、こう思った。私が現一切色身三昧を得たのは、すべて法華経を聞くことができた力による。今こそ、日月浄明徳仏と法華経を供養しよう、と。ただちにこの三昧に入り、虚空に曼陀羅華、摩訶曼陀羅華、細かくした堅い黒栴檀を降らせた。それは虚空に満ちて雲のように降り注いだ。さらに、海此岸の栴檀の香も降らせた。この香は六銖で、娑婆世界ほどの価値がある。これらをもって仏を供養した。」
解説

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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(3)この供養を作し已りて、三昧より起ちて、自ら念じて言わく、『我、神力を以て仏に供養すと雖も、身を以て供養するに如かず。』即ち諸の香、栴檀・薫陸・兜楼婆・畢力迦・沈水・膠香を服し、又瞻蔔等の諸華の香油を飲むこと、千二百歳を満たし已りて、香油を身に塗り、日月浄明徳仏の前において、天の宝衣を以て自ら身に纏い、諸の香油を灌ぎ、神通力の願を以て、自ら身を燃やしたり。光明は八十億恒河沙の世界を遍く照らす。その中の諸仏、同時に讃えて言わく、『善きかな、善きかな、善男子よ。これ真の精進なり。これを真の法供養如来と名づく。もし華・香・瓔珞・焼香・末香・塗香・天の繒・幡蓋、及び海此岸の栴檀の香、かくの如き等の種種の諸物を以て供養するも、及ぶこと能わざる所なり。仮使い国城・妻子を布施するも、亦及ばざる所なり。善男子よ、これを第一の施と名づく。諸の施の中において、最尊最上なり。法を以て諸の如来を供養するが故なり。』この語を作し已りて、各黙然せり。その身の火は燃えること千二百歳、この後を過ぎて、その身乃ち尽きたり。一切衆生喜見菩薩、かくの如き法供養を作し已りて、命終の後、復日月浄明徳仏の国中に生まれ、浄徳王の家において、結跏趺坐して、忽然として化生せり。即ち其の父のために偈を説いて言わく、 大王よ今当に知るべし、我、かの処を経行して、即時に一切の、現諸身三昧を得たり。勤めて大精進を行じ、愛する所の身を捨てて、世尊に供養せり、無上慧を求めんが為なり。
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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(5)「その時、一切衆生喜見菩薩、復自ら念じて言わく、『我、この供養を作すと雖も、心猶お未だ足らず。我、今当に更に舎利を供養すべし。』と。便ち諸の菩薩・大弟子、及び天・竜・夜叉等の一切の大衆に語らく、『汝等、当に一心に念ずべし。我、今、日月浄明徳仏の舎利を供養せん。』この語を作し已りて、即ち八万四千の塔の前において、百福荘厳の臂を燃やすこと七万二千歳にして、以て供養し、無数の声聞を求むる衆、無量阿僧祇の人をして、阿耨多羅三藐三菩提心を発さしめ、皆現一切色身三昧に住することを得せしめたり。」 「その時、諸の菩薩・天・人・阿修羅等、その臂無きを見て、憂悩悲哀して、この言を作さく、『この一切衆生喜見菩薩は、これ我等が師にして、我を教化する者なり。而るに今、臂を焼き、身具足せず。』時に一切衆生喜見菩薩、大衆の中において、この誓言を立つ、『我、両臂を捨てて、必ず当に仏の金色の身を得べし。もし実にして虚しからずんば、我が両臂をして、還復して故の如くならしめよ。』この誓いを作し已りて、自然に還復せり。斯の菩薩の福徳智慧淳厚の致す所なり。その時に当たり、三千大千世界、六種に震動し、天は宝華を雨らし、一切の人天、未曾有なることを得たり。」 仏、宿王華菩薩に告げたまわく、「汝が意においていかん。一切衆生喜見菩薩は、あに異人ならんや。今の薬王菩薩これなり。その捨身布施すること、かくの如く無量百千万億那由他の数なり。宿王華よ、もし発心して阿耨多羅三藐三菩提を得んと欲する者有り、能く手の指、乃至足の一指を燃やして、仏塔に供養せば、国城・妻子、及び三千大千の国土・山林・河池・諸の珍宝物を以て供養する者に勝る。もし復人有りて、七宝を以て三千大千世界に満たして、仏、及び大菩薩・辟支仏・阿羅漢を供養せんに、この人の得る所の功徳も、この法華経、乃至一四句偈を受持するに如かず。その福、最も多し。」
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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(4)「偈を説き已りて、父に白して言わく、『日月浄明徳仏は、今故に現在したもう。我、先に仏を供養し已りて、一切衆生語言陀羅尼を解することを得、復この法華経の八百千万億那由他・甄迦羅・頻婆羅・阿 婆等の偈を聞けり。大王よ、我、今当に還ってこの仏を供養すべし。』と。白し已りて即ち七宝の台に坐し、上りて虚空に昇ること、高さ七多羅樹、仏の所に往到し、頭面に足を礼し、十指の爪を合わせ、偈を以て仏を讃えたてまつる。 容顔甚だ奇妙にして、光明は十方を照らす。我、適に曾て供養し、今復還って親覲す。 その時、一切衆生喜見菩薩、この偈を説き已りて、仏に白して言さく、『世尊よ、世尊は猶故在世したもう。』その時、日月浄明徳仏、一切衆生喜見菩薩に告げたまわく、『善男子よ、我が涅槃の時到り、滅尽の時至れり。汝、床座を安施すべし。我、今夜において、当に般涅槃すべし。』又、一切衆生喜見菩薩に敕したまわく、『善男子よ、我、仏法を以て、汝、及び諸の菩薩・大弟子に囑累し、並びに阿耨多羅三藐三菩提の法をも、亦三千大千七宝の世界、諸の宝樹・宝台、及び給侍の諸天を以て、悉く汝に付す。我が滅度の後、有らゆる舎利も、亦汝に付囑す。当に流布せしめ、広く供養を設け、応に若干千の塔を起つべし。』かくの如く日月浄明徳仏、一切衆生喜見菩薩に敕し已りて、夜の後分において、涅槃に入りたまえり。 その時、一切衆生喜見菩薩、仏の滅度を見て、悲感し、懊悩し、仏を恋慕して、即ち海此岸の栴檀を以て𧂐と為し、仏身を供養して、これを焼けり。火滅して已後、舎利を収取し、八万四千の宝瓶を作りて、以て八万四千の塔を起つ。高さは三世界、表刹荘厳し、諸の幡蓋を垂れ、衆の宝鈴を懸けたり。
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法華経・分別功德品第十七(2)「仏、是の諸の菩薩摩訶薩の大法利を得ると説きたまいし時、虚空の中に於いて、曼陀羅華、摩訶曼陀羅華を雨らし、以て無量百千万億の衆の宝樹の下、師子座の上の諸仏に散じ、並びに七宝塔の中、師子座の上の釈迦牟尼仏、及び久しく滅度したまえる多宝如来に散じ、亦た一切の諸の大菩薩、及び四部の衆に散ず。又、細末の栴檀、沈水香等を雨らし、虚空の中に於いて、天鼓自ずから鳴り、妙なる声深遠なり。又、千種の天衣を雨らし、諸の瓔珞、真珠の瓔珞、摩尼珠の瓔珞、如意珠の瓔珞を垂れ、九方に遍し。衆宝の香炉に、無価の香を焼き、自然に周く至りて、大会に供養す。一一の仏の上に、諸の菩薩有りて、幡蓋を執持し、次第に上りて、梵天に至る。是の諸の菩薩、妙なる音声を以て、無量の頌を歌いて、諸仏を讃歎す。」 爾の時、弥勒菩薩、座より起ちて、偏えに右の肩を袒にし、合掌して仏に向かい、偈を説いて言わく、
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法華経・法師品第十(1)爾の時、世尊、薬王菩薩に因りて、八万の大士に告げたまわく、「薬王、汝是の大衆の中の、無量の諸天、竜王、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、人と非人、及び比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷、声聞を求むる者、辟支仏を求むる者、仏道を求むる者を見るや。是の如き等の類、咸仏前に於て、妙法華経の一偈一句、乃至一念も随喜する者は、我皆授記を与う、当に阿耨多羅三藐三菩提を得べし。」 仏、薬王に告げたまわく、「又如来の滅度の後に、若し人有りて、妙法華経の乃至一偈一句を聞き、一念も随喜せば、我も亦阿耨多羅三藐三菩提の記を授与す。若し復人有りて、妙法華経を受持し、読誦し、解説し、書写し、乃至一偈をも、此の経巻に於て、敬い視ること仏の如くし、種種に供養し、華、香、瓔珞、末香、塗香、焼香、繒蓋、幢幡、衣服、伎楽、乃至合掌恭敬せば、薬王、当に知るべし、是の諸人等は、已に曽て十万億の仏を供養し、諸仏の所に於て、大願を成就し、衆生を愍れむが故に、此の人間に生ぜり。」 「薬王、若し人有りて問わん、何等の衆生か、未来世に於て、当に作仏することを得べきと。応に是の諸人等は、未来世に於て、必ず作仏することを得べしと示すべし。何を以ての故に。若し善男子、善女人、法華経に於て、乃至一句も、受持し、読誦し、解説し、書写し、種種に経巻を供養し、華、香、瓔珞、末香、塗香、焼香、繒蓋、幢幡、衣服、伎楽、合掌恭敬せば、是の人は、一切世間の応に瞻奉すべき所にして、応に如来の供養を以て之を供養すべし。当に知るべし、此の人は是れ大菩薩にして、阿耨多羅三藐三菩提を成就し、衆生を哀愍して、願って此の間に生まれ、広く妙法華経を演べ分別す。何ぞ況んや尽く能く受持して、種種に供養せんをや。」
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法華経・妙音菩薩品第二十四(6)その時、華徳菩薩、仏に白して言さく、「世尊よ、この妙音菩薩は、深く善根を種えたまえり。世尊よ、この菩薩は、何の三昧に住して、能くかくの如く在る所に変現して、衆生を度脱したもうや。」仏、華徳菩薩に告げたまわく、「善男子よ、其の三昧は、現一切色身と名づく。妙音菩薩はこの三昧の中に住して、能くかくの如く無量の衆生を饒益す。」この妙音菩薩品を説きたもう時、妙音菩薩と俱に来たれる八万四千の人、皆現一切色身三昧を得、この娑婆世界の無量の菩薩も、亦この三昧、及び陀羅尼を得たり。 その時、妙音菩薩摩訶薩、釈迦牟尼仏、及び多宝仏の塔を供養し已りて、本土に還帰す。経る所の諸国、六種に震動し、宝蓮華を雨らし、百千万億種種の伎楽を作す。既に本国に到りて、八万四千の菩薩と、囲繞して浄華宿王智仏の所に至り、仏に白して言さく、「世尊よ、我、娑婆世界に到りて衆生を饒益し、釈迦牟尼仏、及び多宝仏の塔を見たてまつりて、礼拝し供養し、又、文殊師利法王子菩薩、及び薬王菩薩・得勤精進力菩薩・勇施菩薩等を見たてまつり、亦この八万四千の菩薩をして、現一切色身三昧を得しめたり。」この妙音来往品を説きたもう時、四万二千の天子は無生法忍を得、華徳菩薩は法華三昧を得たり。