法華経 / 藥王菩薩本事品第二十三(3)
作是供養已,從三昧起,而自念言:『我雖以神力供養於佛,不如以身供養。』即服諸香,栴檀、薰陸、兜樓婆、畢力迦、沈水、膠香,又飲瞻蔔諸華香油,滿千二百歲已,香油塗身,於日月淨明德佛前,以天寶衣而自纏身,灌諸香油,以神通力願、而自燃身,光明遍照八十億恒河沙世界。其中諸佛、同時讚言:『善哉、善哉,善男子,是真精進,是名真法供養如來。若以華、香、瓔珞、燒香、末香、塗香、天繒、幡蓋、及海此岸栴檀之香、如是等種種諸物供養,所不能及,假使國城、妻子、布施,亦所不及。善男子,是名第一之施,於諸施中、最尊最上,以法供養諸如來故。』作是語已,而各默然。其身火燃、千二百歲,過是已後,其身乃盡。一切眾生喜見菩薩、作如是法供養已,命終之後,復生日月淨明德佛國中,於淨德王家、結跏趺坐,忽然化生。即為其父而說偈言: 大王今當知,我經行彼處,即時得一切,現諸身三昧,勤行大精進,捨所愛之身,供養於世尊、為求無上慧。
新字:作是供養已,従三昧起,而自念言:『我雖以神力供養於仏,不如以身供養。』即服諸香,栴檀、薫陸、兜楼婆、畢力迦、沈水、膠香,又飲瞻蔔諸華香油,満千二百歳已,香油塗身,於日月浄明徳仏前,以天宝衣而自纏身,灌諸香油,以神通力願、而自燃身,光明遍照八十億恒河沙世界。其中諸仏、同時讃言:『善哉、善哉,善男子,是真精進,是名真法供養如来。若以華、香、瓔珞、焼香、末香、塗香、天繒、幡蓋、及海此岸栴檀之香、如是等種種諸物供養,所不能及,仮使国城、妻子、布施,亦所不及。善男子,是名第一之施,於諸施中、最尊最上,以法供養諸如来故。』作是語已,而各黙然。其身火燃、千二百歳,過是已後,其身乃尽。一切衆生喜見菩薩、作如是法供養已,命終之後,復生日月浄明徳仏国中,於浄徳王家、結跏趺坐,忽然化生。即為其父而説偈言: 大王今当知,我経行彼処,即時得一切,現諸身三昧,勤行大精進,捨所愛之身,供養於世尊、為求無上慧。
書き下し
この供養を作し已りて、三昧より起ちて、自ら念じて言わく、『我、神力を以て仏に供養すと雖も、身を以て供養するに如かず。』即ち諸の香、栴檀・薫陸・兜楼婆・畢力迦・沈水・膠香を服し、又瞻蔔等の諸華の香油を飲むこと、千二百歳を満たし已りて、香油を身に塗り、日月浄明徳仏の前において、天の宝衣を以て自ら身に纏い、諸の香油を灌ぎ、神通力の願を以て、自ら身を燃やしたり。光明は八十億恒河沙の世界を遍く照らす。その中の諸仏、同時に讃えて言わく、『善きかな、善きかな、善男子よ。これ真の精進なり。これを真の法供養如来と名づく。もし華・香・瓔珞・焼香・末香・塗香・天の繒・幡蓋、及び海此岸の栴檀の香、かくの如き等の種種の諸物を以て供養するも、及ぶこと能わざる所なり。仮使い国城・妻子を布施するも、亦及ばざる所なり。善男子よ、これを第一の施と名づく。諸の施の中において、最尊最上なり。法を以て諸の如来を供養するが故なり。』この語を作し已りて、各黙然せり。その身の火は燃えること千二百歳、この後を過ぎて、その身乃ち尽きたり。一切衆生喜見菩薩、かくの如き法供養を作し已りて、命終の後、復日月浄明徳仏の国中に生まれ、浄徳王の家において、結跏趺坐して、忽然として化生せり。即ち其の父のために偈を説いて言わく、 大王よ今当に知るべし、我、かの処を経行して、即時に一切の、現諸身三昧を得たり。勤めて大精進を行じ、愛する所の身を捨てて、世尊に供養せり、無上慧を求めんが為なり。
現代語訳
この供養を終えて、三昧から起き上がり、自らこう考えました。私は神通力で仏を供養したが、身をもって供養するのには及ばない、と。そこで、さまざまな香、栴檀、薫陸、兜楼婆、畢力迦、沈水、膠香を服用し、また瞻蔔などの花の香油を飲むこと千二百年に及び、その後、香油を身に塗り、日月浄明徳仏の前で、天の宝衣を身にまとい、香油を注ぎ、神通力の願いによって、自らの身を燃やしました。その光は八十億恒河沙の世界をあまねく照らしました。その中の諸仏は同時に讃えて言いました。「素晴らしい、素晴らしい、善男子よ。これこそ真の精進、真の法による供養です。花、香、首飾り、焼香、粉の香、塗る香、天の織物、旗や天蓋、海此岸の栴檀の香など、さまざまな品で供養しても、これには及びません。たとえ国や城や妻子を布施しても、やはり及びません。善男子よ、これは第一の施しであり、あらゆる施しのなかで最も尊く最上です。法をもって諸の如来を供養しているからです。」こう言って、諸仏はそれぞれ黙られました。その身の火は千二百年燃え続け、その後に身は尽きました。一切衆生喜見菩薩はこのような法による供養を終え、命が尽きた後、再び日月浄明徳仏の国に、浄徳王の家に、足を組んで坐した姿のまま、忽然と生まれ変わりました。そしてすぐに、その父のために偈を説きました。 大王よ、今知ってください。私はかの処を歩み修行して、すぐにあらゆる姿を現す三昧を得ました。大いに励み、愛する身を捨てて、世尊を供養しました。無上の智慧を求めるためです。
解説

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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(5)「その時、一切衆生喜見菩薩、復自ら念じて言わく、『我、この供養を作すと雖も、心猶お未だ足らず。我、今当に更に舎利を供養すべし。』と。便ち諸の菩薩・大弟子、及び天・竜・夜叉等の一切の大衆に語らく、『汝等、当に一心に念ずべし。我、今、日月浄明徳仏の舎利を供養せん。』この語を作し已りて、即ち八万四千の塔の前において、百福荘厳の臂を燃やすこと七万二千歳にして、以て供養し、無数の声聞を求むる衆、無量阿僧祇の人をして、阿耨多羅三藐三菩提心を発さしめ、皆現一切色身三昧に住することを得せしめたり。」 「その時、諸の菩薩・天・人・阿修羅等、その臂無きを見て、憂悩悲哀して、この言を作さく、『この一切衆生喜見菩薩は、これ我等が師にして、我を教化する者なり。而るに今、臂を焼き、身具足せず。』時に一切衆生喜見菩薩、大衆の中において、この誓言を立つ、『我、両臂を捨てて、必ず当に仏の金色の身を得べし。もし実にして虚しからずんば、我が両臂をして、還復して故の如くならしめよ。』この誓いを作し已りて、自然に還復せり。斯の菩薩の福徳智慧淳厚の致す所なり。その時に当たり、三千大千世界、六種に震動し、天は宝華を雨らし、一切の人天、未曾有なることを得たり。」 仏、宿王華菩薩に告げたまわく、「汝が意においていかん。一切衆生喜見菩薩は、あに異人ならんや。今の薬王菩薩これなり。その捨身布施すること、かくの如く無量百千万億那由他の数なり。宿王華よ、もし発心して阿耨多羅三藐三菩提を得んと欲する者有り、能く手の指、乃至足の一指を燃やして、仏塔に供養せば、国城・妻子、及び三千大千の国土・山林・河池・諸の珍宝物を以て供養する者に勝る。もし復人有りて、七宝を以て三千大千世界に満たして、仏、及び大菩薩・辟支仏・阿羅漢を供養せんに、この人の得る所の功徳も、この法華経、乃至一四句偈を受持するに如かず。その福、最も多し。」
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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(4)「偈を説き已りて、父に白して言わく、『日月浄明徳仏は、今故に現在したもう。我、先に仏を供養し已りて、一切衆生語言陀羅尼を解することを得、復この法華経の八百千万億那由他・甄迦羅・頻婆羅・阿 婆等の偈を聞けり。大王よ、我、今当に還ってこの仏を供養すべし。』と。白し已りて即ち七宝の台に坐し、上りて虚空に昇ること、高さ七多羅樹、仏の所に往到し、頭面に足を礼し、十指の爪を合わせ、偈を以て仏を讃えたてまつる。 容顔甚だ奇妙にして、光明は十方を照らす。我、適に曾て供養し、今復還って親覲す。 その時、一切衆生喜見菩薩、この偈を説き已りて、仏に白して言さく、『世尊よ、世尊は猶故在世したもう。』その時、日月浄明徳仏、一切衆生喜見菩薩に告げたまわく、『善男子よ、我が涅槃の時到り、滅尽の時至れり。汝、床座を安施すべし。我、今夜において、当に般涅槃すべし。』又、一切衆生喜見菩薩に敕したまわく、『善男子よ、我、仏法を以て、汝、及び諸の菩薩・大弟子に囑累し、並びに阿耨多羅三藐三菩提の法をも、亦三千大千七宝の世界、諸の宝樹・宝台、及び給侍の諸天を以て、悉く汝に付す。我が滅度の後、有らゆる舎利も、亦汝に付囑す。当に流布せしめ、広く供養を設け、応に若干千の塔を起つべし。』かくの如く日月浄明徳仏、一切衆生喜見菩薩に敕し已りて、夜の後分において、涅槃に入りたまえり。 その時、一切衆生喜見菩薩、仏の滅度を見て、悲感し、懊悩し、仏を恋慕して、即ち海此岸の栴檀を以て𧂐と為し、仏身を供養して、これを焼けり。火滅して已後、舎利を収取し、八万四千の宝瓶を作りて、以て八万四千の塔を起つ。高さは三世界、表刹荘厳し、諸の幡蓋を垂れ、衆の宝鈴を懸けたり。
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法華経・藥王菩薩本事品第二十三(1)その時、宿王華菩薩、仏に白して言さく、「世尊よ、薬王菩薩は、云何が娑婆世界に遊びたまえるや。世尊よ、この薬王菩薩は、若干百千万億那由他の難行苦行有り。善きかな、世尊よ、願わくは少しく解説したまえ。」諸天・竜・神・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽・人・非人等、又他国土より諸来の菩薩、及びこの声聞衆、聞きて皆歓喜せり。 その時、仏、宿王華菩薩に告げたまわく、「乃往過去、無量恒河沙劫に、仏有り、日月浄明徳如来・応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊と号したてまつる。その仏に八十億の大菩薩摩訶薩、七十二恒河沙の大声聞衆有り。仏の寿は四万二千劫、菩薩の寿命も亦等し。かの国には女人・地獄・餓鬼・畜生・阿修羅等、及び以て諸難有ること無し。地は平らかなること掌の如く、琉璃の成す所にして、宝樹荘厳し、宝帳その上を覆い、宝華の幡を垂れ、宝瓶・香炉、国界に周遍す。七宝を台と為し、一樹に一台、その樹と台と去ること、尽く一箭道なり。これらの諸の宝樹には、皆菩薩・声聞有りて、その下に坐し、諸の宝台の上には、各百億の諸天有りて、天の伎楽を作し、仏を歌歎して、以て供養を為せり。」
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維摩経・法供養品第十三(3)仏、天帝に告げたまわく、過去無量阿僧祇劫の時、世に仏有り、号して薬王如来・応供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・仏・世尊と曰う。世界を大荘厳と名づけ、劫を荘厳と曰う。仏の寿は二十小劫、其の声聞僧は三十六億那由他、菩薩僧は十二億有り。天帝、是の時、転輪聖王有り、名を宝蓋と曰う。七宝具足して四天下を主る。王に千子有り、端正勇健にして能く怨敵を伏す。爾の時、宝蓋、其の眷属と薬王如来を供養し、諸の安んずる所を施すこと五劫を満たす。五劫を過ぎ已りて、其の千子に告ぐ、汝等も亦当に我が如く深心を以て仏を供養すべし。是に於いて千子、父王の命を受けて、薬王如来を供養すること、復た五劫を満たし、一切安んずるを施す。其の王の一子、名を月蓋と曰う。独り坐して思惟す、寧ろ供養の此に殊過する者有らんやと。仏の神力を以て、空中に天有りて曰く、善男子、法の供養は諸の供養に勝れり。即ち問う、何をか法の供養と謂う。天の曰く、汝、往きて薬王如来に問うべし、当に広く汝が為に法の供養を説くべし。即時に月蓋王子、薬王如来に行詣し、仏足に稽首し、却きて一面に住し、仏に白して言わく、世尊、諸の供養の中に法供養は勝れり。云何が法供養と為す。仏の言わく、善男子、法供養とは、諸仏の説く所の深経、一切世間の信じ難く受け難く、微妙にして見難く、清浄にして染無く、但だ分別思惟の得る所に非ず、菩薩の法蔵に摂せらるる所なり。
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維摩経・法供養品第十三(5)仏、天帝に告げたまわく、王子月蓋、薬王仏より是くの如き法を聞きて柔順忍を得たり。即ち宝衣・厳身の具を解きて以て仏に供養し、仏に白して言わく、世尊、如来の滅後に、我れ当に法の供養を行じ、正法を守護すべし。願わくは威神を以て加哀し建立したまえ。我をして魔怨を降し、菩薩の行を修することを得しめたまえ。仏、其の深心の念う所を知りて、之に記して曰く、汝、末後に於いて法城を守護せん。天帝、時に王子月蓋、法の清浄なるを見、仏の授記を聞きて、信を以て出家し、善法を修集して精進し、久しからずして五神通を得、菩薩の道に逮び、陀羅尼・無断の弁才を得たり。仏の滅後に、其の得る所の神通・総持・弁才の力を以て、十小劫を満たし、薬王如来の転ずる所の法輪、随いて分布す。月蓋比丘、法を守護するを以て勤行精進し、即ち此の身に於いて百万億の人を化して、阿耨多羅三藐三菩提に於いて不退転に立たしむ。十四那由他の人、深く声聞・辟支仏の心を発す。無量の衆生、天上に生ずることを得たり。天帝、時の王宝蓋は、豈に異人ならんや。今現に仏と成るを得て、号を宝炎如来と曰う。其の王の千子は、即ち賢劫の中の千仏是れなり。迦羅鳩孫駄より始めと為して仏を得、最後の如来は号を楼至と曰う。月蓋比丘は即ち我が身是れなり。是くの如し、天帝。当に此の要を知るべし。法を以て供養すること、諸供養に於いて上と為し、最第一にして無比なり。是の故に天帝、当に法の供養を以て仏を供養すべし。