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法華経 / 法師品第十(6)

爾時世尊欲重宣此義,而說偈言: 欲捨諸懈怠,應當聽此經,是經難得聞,信受者亦難。如人渴需水,窄鑿於高原,猶見乾燥土,知去水尚遠, 漸見濕土泥,決定知近水。藥王汝當知,如是諸人等,不聞法華經,去佛智甚遠,若聞是深經,決了聲聞法。 是諸經之王,聞已諦思惟,當知此人等、近於佛智慧。若人說此經,應入如來室,著於如來衣,而坐如來座, 處眾無所畏,廣為分別說。大慈悲為室,柔和忍辱衣,諸法空為座,處此為說法。若說此經時,有人惡口罵, 加刀杖瓦石,念佛故應忍。我千萬億土、現淨堅固身,於無量億劫、為眾生說法。若我滅度後、能說此經者, 我遣化四眾、比丘比丘尼、及清信士女、供養於法師,引導諸眾生,集之令聽法。若人欲加惡、刀杖及瓦石, 則遣變化人、為之作衛護。若說法之人,獨在空閒處,寂寞無人聲,讀誦此經典,我爾時為現清淨光明身。 若忘失章句,為說令通利。若人具是德,或為四眾說,空處讀誦經,皆得見我身。若人在空閒,我遣天龍王、 夜叉鬼神等,為作聽法眾。是人樂說法,分別無罣礙,諸佛護念故,能令大眾喜。若親近法師,速得菩薩道, 隨順是師學,得見恒沙佛。

新字:爾時世尊欲重宣此義,而説偈言: 欲捨諸懈怠,応当聴此経,是経難得聞,信受者亦難。如人渇需水,窄鑿於高原,猶見乾燥土,知去水尚遠, 漸見湿土泥,決定知近水。薬王汝当知,如是諸人等,不聞法華経,去仏智甚遠,若聞是深経,決了声聞法。 是諸経之王,聞已諦思惟,当知此人等、近於仏智慧。若人説此経,応入如来室,著於如来衣,而坐如来座, 処衆無所畏,広為分別説。大慈悲為室,柔和忍辱衣,諸法空為座,処此為説法。若説此経時,有人悪口罵, 加刀杖瓦石,念仏故応忍。我千万億土、現浄堅固身,於無量億劫、為衆生説法。若我滅度後、能説此経者, 我遣化四衆、比丘比丘尼、及清信士女、供養於法師,引導諸衆生,集之令聴法。若人欲加悪、刀杖及瓦石, 則遣変化人、為之作衛護。若説法之人,独在空閒処,寂寞無人声,読誦此経典,我爾時為現清浄光明身。 若忘失章句,為説令通利。若人具是徳,或為四衆説,空処読誦経,皆得見我身。若人在空閒,我遣天竜王、 夜叉鬼神等,為作聴法衆。是人楽説法,分別無罣礙,諸仏護念故,能令大衆喜。若親近法師,速得菩薩道, 随順是師学,得見恒沙仏。

書き下し

爾の時、世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、 諸の懈怠を捨てんと欲せば、応当に此の経を聴くべし。是の経は聞くことを得難く、信受する者も亦た難し。人の渇して水を需め、高原に窄鑿するに、猶お乾燥の土を見て、水を去ること尚お遠きを知り、 漸く湿土の泥を見て、決定して水に近きを知るが如し。藥王、汝当に知るべし、是の如き諸人等は、法華経を聞かざれば、仏智を去ること甚だ遠し。若し是の深経を聞かば、声聞の法を決了す。 是れ諸経の王なり。聞き已って諦らかに思惟せば、当に知るべし、此の人等は、仏の智慧に近し。若し人、此の経を説かば、応に如来の室に入り、如来の衣を著て、如来の座に坐すべし。 衆に処して畏るる所無く、広く為に分別して説け。大慈悲を室と為し、柔和忍辱を衣とし、諸法の空を座と為して、此に処して為に法を説け。若し此の経を説く時、人有りて悪口して罵り、 刀杖・瓦石を加うとも、仏を念ずるが故に応に忍ぶべし。我は千万億土に、清浄堅固の身を現じ、無量億劫に於いて、衆生の為に法を説く。若し我が滅度の後、能く此の経を説かん者には、 我、化の四衆、比丘・比丘尼、及び清信の士女を遣わして、法師を供養し、諸の衆生を引導し、之を集めて法を聴かしめん。若し人、悪を加えんと欲して、刀杖及び瓦石あらば、 則ち変化の人を遣わして、之が為に衛護を作さん。若し説法の人、独り空閑処に在りて、寂寞として人の声無く、此の経典を読誦せば、我、爾の時、為に清浄光明の身を現ぜん。 若し章句を忘失せば、為に説いて通利せしめん。若し人、是の徳を具えて、或いは四衆の為に説き、空処にて経を読誦せば、皆、我が身を見ることを得ん。若し人、空閑に在らば、我、天・竜王、 夜叉・鬼神等を遣わして、為に聴法の衆と作さしめん。是の人は説法を楽い、分別して罣礙無く、諸仏の護念したもうが故に、能く大衆をして喜ばしむ。若し法師に親近せば、速やかに菩薩道を得ん。 是の師に隨順して学ばば、恒沙の仏を見ることを得ん。

現代語訳

そのとき世尊は、この意味を重ねて述べようとして、偈を説かれました。 怠ける心を捨てたいなら、この経を聞きなさい。この経は聞くことが難しく、信じて受け入れる人もまた少ないのです。たとえば、喉が渇いて水を求める人が高い台地を掘り、まだ乾いた土が見えるときには水が遠いと分かり、 やがて湿った土や泥が見えてくると、水が近いと確かに分かるようなものです。薬王よ、知りなさい。法華経を聞かない人々は、仏の智慧からはなはだ遠く、この深い経を聞くなら、声聞の法を見極めることができます。 この経は諸経の王です。聞いてよく考える人は、仏の智慧に近いと知りなさい。もし人がこの経を説くなら、如来の室に入り、如来の衣を着て、如来の座に坐るべきです。 人々の前でも恐れることなく、広く分けて説きなさい。大いなる慈悲を室とし、柔和と忍耐を衣とし、すべてのものは空であるという理解を座として、そこに身を置いて法を説きなさい。この経を説くとき、悪口を言って罵る人がいたり、 刀や杖、瓦や石を加える人がいたりしても、仏を念じて耐え忍びなさい。私は千万億の国土に、清らかで堅固な身を現し、はかり知れない長い時にわたって、衆生のために法を説いています。もし私の滅後にこの経を説く人がいれば、 私は化身の四衆、すなわち比丘、比丘尼、清らかな信心の男女を遣わして、法師を供養させ、衆生を導き、集めて法を聴かせます。もし人が悪を加えようとして、刀、杖、瓦、石を持ち出すなら、 すぐに変化の人を遣わして、その人を守らせます。もし説法する人がひとり静かな所にいて、ひっそりと人の声もない中でこの経典を読み唱えるなら、私はそのとき、清らかな光明の身を現します。 もし文章の区切りを忘れたなら、説いて通じさせます。もし人がこの徳を備え、四衆のために説き、あるいは人のいない所で経を読み唱えるなら、みな私の姿を見ることができます。もし人が静かな所にいれば、私は天や竜王、 夜叉や鬼神などを遣わして、聴衆にならせます。この人は説法を楽しみ、分けて説くのに妨げがなく、諸仏が心にかけて護ってくださるので、大衆を喜ばせることができます。もし法師に親しみ近づくなら、すみやかに菩薩の道を得るでしょう。 この師に従って学ぶなら、ガンジス河の砂の数ほどの仏にお会いすることができるでしょう。

解説

前の散文を偈で重ねて述べる部分で、衣座室の教えが再び説かれ、さらに説法者が罵られ石を投げられても耐えよ、孤独に読む人には化身の聴衆や守り手が遣わされると続きます。化身や天竜が現れる話は神話的な世界観の表現で、そのまま事実として受け取る必要はないでしょう。人に何かを伝える仕事は、孤独で、時に攻撃を受けるものだが、続けるうちに支える人が現れてくる、という経験則を物語にしたものとして読めます。
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この章句が説くこと

偈渇水の譬え諸経の王柔和忍辱衛護化の四衆

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