法華経 / 化城喻品第七(3)
大威德世尊,為度眾生故,於無量億劫,爾乃得成佛, 諸願已具足,善哉吉無上。世尊甚稀有,一坐十小劫, 身體及手足,靜然安不動。其心常惔怕,未曾有散亂, 究竟永寂滅,安住無漏法。今者見世尊,安隱成佛道, 我等得善利,稱慶大歡喜。眾生常苦惱,盲瞑無導師, 不識苦盡道,不知求解脫。長夜增惡趣,減損諸天眾, 從冥入於冥,永不聞佛名。今佛得最上,安隱無漏道, 我等及天人,為得最大利,是故咸稽首,歸命無上尊。 爾時十六王子,偈讚佛已,勸請世尊轉於法輪,咸作是言:「世尊說法,多所安隱,憐愍饒益,諸天人民。」重說偈言: 世雄無等倫,百福自莊嚴,得無上智慧。願為世間說, 度脫於我等,及諸眾生類,為分別顯示,令得是智慧。 若我等得佛,眾生亦復然。世尊知眾生,深心之所念, 亦知所行道,又知智慧力,欲樂及修福,宿命所行業。 世尊悉知已,當轉無上輪。 佛告諸比丘:『大通智勝佛,得阿耨多羅三藐三菩提時,十方各五百萬億諸佛世界,六種震動,其國中間幽冥之處,日月威光所不能照,而皆大明。其中眾生,各得相見,咸作是言:『此中云何忽生眾生,又其國界、諸天宮殿、乃至梵宮,六種震動,大光普照,遍滿世界,勝諸天光。』』
新字:大威徳世尊,為度衆生故,於無量億劫,爾乃得成仏, 諸願已具足,善哉吉無上。世尊甚稀有,一坐十小劫, 身体及手足,静然安不動。其心常惔怕,未曽有散乱, 究竟永寂滅,安住無漏法。今者見世尊,安隠成仏道, 我等得善利,称慶大歓喜。衆生常苦悩,盲瞑無導師, 不識苦尽道,不知求解脱。長夜增悪趣,減損諸天衆, 従冥入於冥,永不聞仏名。今仏得最上,安隠無漏道, 我等及天人,為得最大利,是故咸稽首,帰命無上尊。 爾時十六王子,偈讃仏已,勧請世尊転於法輪,咸作是言:「世尊説法,多所安隠,憐愍饒益,諸天人民。」重説偈言: 世雄無等倫,百福自荘厳,得無上智慧。願為世間説, 度脱於我等,及諸衆生類,為分別顕示,令得是智慧。 若我等得仏,衆生亦復然。世尊知衆生,深心之所念, 亦知所行道,又知智慧力,欲楽及修福,宿命所行業。 世尊悉知已,当転無上輪。 仏告諸比丘:『大通智勝仏,得阿耨多羅三藐三菩提時,十方各五百万億諸仏世界,六種震動,其国中間幽冥之処,日月威光所不能照,而皆大明。其中衆生,各得相見,咸作是言:『此中云何忽生衆生,又其国界、諸天宮殿、乃至梵宮,六種震動,大光普照,遍満世界,勝諸天光。』』
書き下し
大威徳の世尊、衆生を度せんが為の故に、無量億劫に於て、爾して乃ち成仏することを得たまえり、 諸願已に具足したまえり、善いかな吉にして無上なり。世尊は甚だ稀有なり、一たび坐したまうこと十小劫、 身体及び手足、静然として安らかに動ぜず。其の心は常に惔怕にして、未だ曾て散乱有らず、 究竟して永く寂滅し、無漏の法に安住したまえり。今者、世尊の、安穏に仏道を成じたまえるを見て、 我等、善利を得て、慶びを称えて大いに歓喜す。衆生は常に苦悩し、盲瞑にして導師無く、 苦尽の道を識らず、解脱を求むることを知らず。長夜に悪趣を増し、諸天衆を減損し、 冥きより冥きに入りて、永く仏名を聞かず。今、仏は最上の、安穏無漏の道を得たまえり、 我等及び天人、最大の利を得んが為に、是の故に咸く稽首して、無上尊に帰命したてまつる。 爾の時、十六の王子、偈をもて仏を讃え已りて、世尊に法輪を転ずることを勧請し、咸く是の言を作さく、「世尊の説法は、多く安穏にする所あり、諸の天人民を憐愍し饒益したまわん」と。重ねて偈を説きて言わく、 世雄は等倫無く、百福もて自ら荘厳し、無上の智慧を得たまえり。願わくは世間の為に説きたまえ、 我等、及び諸の衆生類を度脱し、為に分別して顕示し、是の智慧を得しめたまえ。 若し我等、仏を得ば、衆生も亦復た然らん。世尊は衆生の、深心の念ずる所を知りたまい、 亦た行ずる所の道を知り、又、智慧の力、欲楽及び修福、宿命に行ぜし業を知りたまう。 世尊は悉く知り已りて、当に無上の輪を転じたもうべし。 仏、諸の比丘に告げたまわく、『大通智勝仏、阿耨多羅三藐三菩提を得たまいし時、十方各五百万億の諸仏の世界、六種に震動し、其の国の中間の幽冥の処、日月の威光の照らすこと能わざる所にも、而も皆大いに明らかなり。其の中の衆生、各相見ることを得て、咸く是の言を作さく、『此の中に云何ぞ忽ちに衆生を生ずるや』と。又、其の国界の、諸天の宮殿、乃至梵宮、六種に震動し、大光普く照らして、世界に遍満し、諸天の光に勝れり』と。』
現代語訳
大威徳の世尊は、人々を救うために、量り知れない億劫を経て、ようやく仏となられました。すべての願いがすでに満たされ、めでたいことこの上ありません。世尊は実に稀有で、一度座られること十小劫、身体も手足も静かに安らかに動きませんでした。その心はつねに静かに澄み、乱れたことはなく、究極まで静まり、煩悩のない法に安住しておられました。いま世尊が安らかに仏道を成就されたのを見て、私たちは善い利益を得て、喜びを称え、大いに歓喜します。人々は常に苦しみ悩み、盲目のようで導き手がなく、苦しみの尽きる道を知らず、解脱を求めることも知りません。長い夜のあいだに悪い境涯が増し、神々の衆は減り、暗闇から暗闇に入り、永く仏の名を聞くことがありません。いま、仏はこの上ない、安らかで煩悩のない道を得られました。私たちと天や人々は、最大の利益を得るために、みな頭を下げて、この上なく尊い方に帰依いたします。 そのとき十六人の王子は、偈で仏を讃え終えると、世尊に法輪を転じてほしいと願い、みなこう言いました。「世尊の説法は、多くの人を安らかにします。天や人々を憐れんで利益を与えてください」。そして重ねて偈を説いて言いました。世の勇者は並ぶ者がなく、多くの福で自ら飾り、この上ない智慧を得られました。どうか世間のためにお説きください。私たち、およびあらゆる人々を救い、分け隔てて示して、この智慧を得させてください。もし私たちが仏になれば、人々もまた同じようになるでしょう。世尊は、人々の深い心の思い、行っている道、智慧の力、願い、福の積み方、前世での行いを知っておられます。世尊はことごとくそれを知り終えて、無上の法の輪を転じてください。 仏は比丘たちに告げられました。「大通智勝仏が阿耨多羅三藐三菩提を得られたとき、十方のそれぞれ五百万億の諸仏の世界が、六種に震動し、その国々の間の暗闇で、太陽や月の光でも照らせない所までも、みな大いに明るくなった。そこにいる人々は互いに見ることができ、みなこう言った。『この中にどうして突然、人々が生まれたのか』と。また、その世界の神々の宮殿から梵天の宮殿までが、六種に震動し、大きな光があまねく照らして、世界に満ち、神々の光にもまさった」。
解説

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