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法華経 / 化城喻品第七(4)

爾時東方五百萬億諸國土中,梵天宮殿,光明照曜,倍於常明。諸梵天王,各作是念:「今者宮殿光明,昔所未有。以何因緣、而現此相?」是時諸梵天王,即各相詣,共議此事。時彼眾中,有一大梵天王,名救一切,為諸梵眾而說偈言: 我等諸宮殿,光明昔未有,此是何因緣,宜各共求之。 為大德天生,為佛出世間,而此大光明,遍照於十方。 爾時五百萬億國土諸梵天王,與宮殿俱,各以衣祴,盛諸天華,共詣西方,推尋是相。見大通智勝如來,處於道場菩提樹下,坐師子座,諸天、龍王、乾闥婆、緊那羅、摩睺羅伽、人非人等,恭敬圍繞,及見十六王子,請佛轉法輪。 即時諸梵天王頭面禮佛,繞百千匝,即以天華而散佛上。其所散華,如須彌山,並以供養佛菩提樹,其菩提樹,高十由旬,華供養已,各以宮殿奉上彼佛,而作是言:「惟見哀愍,饒益我等,所獻宮殿,願垂納受。」時諸梵天王、即於佛前,一心同聲,以偈頌曰: 世尊甚稀有,難可得值遇,具無量功德,能救護一切。 天人之大師,哀愍於世間,十方諸眾生,普皆蒙饒益。 我等所從來,五百萬億國,捨深禪定樂,為供養佛故。 我等先世福,宮殿甚嚴飾,今以奉世尊,唯願哀納受。

新字:爾時東方五百万億諸国土中,梵天宮殿,光明照曜,倍於常明。諸梵天王,各作是念:「今者宮殿光明,昔所未有。以何因縁、而現此相?」是時諸梵天王,即各相詣,共議此事。時彼衆中,有一大梵天王,名救一切,為諸梵衆而説偈言: 我等諸宮殿,光明昔未有,此是何因縁,宜各共求之。 為大徳天生,為仏出世間,而此大光明,遍照於十方。 爾時五百万億国土諸梵天王,与宮殿倶,各以衣祴,盛諸天華,共詣西方,推尋是相。見大通智勝如来,処於道場菩提樹下,坐師子座,諸天、竜王、乾闥婆、緊那羅、摩睺羅伽、人非人等,恭敬囲繞,及見十六王子,請仏転法輪。 即時諸梵天王頭面礼仏,繞百千匝,即以天華而散仏上。其所散華,如須弥山,並以供養仏菩提樹,其菩提樹,高十由旬,華供養已,各以宮殿奉上彼仏,而作是言:「惟見哀愍,饒益我等,所献宮殿,願垂納受。」時諸梵天王、即於仏前,一心同声,以偈頌曰: 世尊甚稀有,難可得値遇,具無量功徳,能救護一切。 天人之大師,哀愍於世間,十方諸衆生,普皆蒙饒益。 我等所従来,五百万億国,捨深禅定楽,為供養仏故。 我等先世福,宮殿甚厳飾,今以奉世尊,唯願哀納受。

書き下し

爾の時、東方五百万億の諸の国土の中の、梵天の宮殿は、光明照曜して、常の明に倍せり。諸の梵天王、各是の念を作さく、「今者、宮殿の光明は、昔より未だ有らざる所なり。何の因縁を以て、而も此の相を現ずるや」と。是の時、諸の梵天王、即ち各相い詣りて、共に此の事を議す。時に彼の衆の中に、一の大梵天王有り、名を救一切と曰い、諸の梵衆の為に、偈を説きて言わく、 我等の諸の宮殿の、光明は昔より未だ有らず、此れは是れ何の因縁ぞ、宜しく各共に之を求むべし。 大徳の天の生まれたるか、仏の世間に出でたまうか、而も此の大光明は、遍く十方を照らす。 爾の時、五百万億の国土の諸の梵天王は、宮殿と俱に、各衣祴を以て、諸の天華を盛り、共に西方に詣りて、是の相を推尋す。大通智勝如来の、道場の菩提樹の下に処し、師子座に坐したまい、諸の天、龍王、乾闥婆、緊那羅、摩睺羅伽、人非人等の、恭敬し囲繞し、及び十六の王子の、仏に法輪を転ぜんことを請うを見る。 即時に諸の梵天王は、頭面に仏を礼し、繞ること百千匝し、即ち天華を以て仏の上に散ず。其の散ずる所の華は、須弥山の如く、並びに以て仏の菩提樹に供養す。其の菩提樹は、高さ十由旬なり、華供養し已りて、各宮殿を以て、彼の仏に奉上し、是の言を作さく、「惟だ哀愍を垂れ、我等を饒益したまえ、献ずる所の宮殿、願わくは納受を垂れたまえ」と。時に諸の梵天王は、即ち仏の前に於て、一心に同声に、偈頌を以て曰う、 世尊は甚だ稀有にして、値遇すること得難し、無量の功徳を具して、能く一切を救護したもう。 天人の大師なり、世間を哀愍し、十方の諸の衆生は、普く皆饒益を蒙る。 我等の従り来れる所は、五百万億の国なり、深禅定の楽を捨てて、仏を供養せんが為の故なり。 我等の先世の福により、宮殿は甚だ厳飾せり、今、以て世尊に奉る、唯だ願わくは哀れみて納受したまえ。

現代語訳

そのとき、東方の五百万億の国々にある梵天の宮殿は、光が輝き、普段の明るさの倍になりました。梵天王たちは、それぞれこう考えました。「今、宮殿の光は、これまでにないものだ。どんな因縁でこのような相が現れたのか」と。このとき梵天王たちはすぐに互いのもとを訪ね、一緒にこのことを話し合いました。その中に、救一切という名の大梵天王がいて、梵天の衆のために偈を説いて言いました。私たちの宮殿の光は、昔からなかったもの。これはどんな因縁か、みなで探してみよう。徳の大きな神が生まれたのか、仏が世に出られたのか。この大きな光は、あまねく十方を照らしている。 そのとき五百万億の国の梵天王たちは、宮殿とともに、それぞれ衣の裾に天の花を盛り、一緒に西の方へ行って、この相の理由を探しました。大通智勝如来が道場の菩提樹の下で獅子座に座り、神々、龍王、乾闥婆、緊那羅、摩睺羅伽、人ならぬ者たちに敬い囲まれ、十六人の王子が仏に法の輪を転じるよう願っているのを見ました。 ただちに梵天王たちは頭を地につけて仏を礼拝し、仏の周りを百千回巡り、天の花を仏の上に撒きました。撒いた花は須弥山のようで、また仏の菩提樹にも供養しました。その菩提樹は高さ十由旬でした。花の供養を終えると、それぞれ宮殿を仏に奉り、こう言いました。「どうか憐れみを垂れて、私たちに利益をお与えください。献じる宮殿を、どうかお受けください」と。このとき梵天王たちは、仏の前で一心に声をそろえ、偈で言いました。 世尊は稀有で、巡り会うことは得がたい。量り知れない功徳を備え、あらゆるものを救い守られる。天や人の大師であり、世間を憐れまれ、十方のあらゆる人々は、あまねく利益を受ける。私たちが来たのは、五百万億の国からで、深い禅定の楽しみを捨てて、仏を供養するためです。私たちの前世の福によって、宮殿はとても美しく飾られています。いまこれを世尊に奉ります、どうか憐れんでお受けください。

解説

十方の梵天王たちが、宮殿の異常な光に気づき、その原因を探しに集まる場面です。未知の現象に出会ったとき、各自が独りで考え込むのではなく、互いに訪ね合って議論し、ともに探しに出かける点が特徴です。最後には、自分の持つ最もよいもの、つまり宮殿を仏に捧げます。現代の組織でも、異変の兆候に気づいた者同士が情報を共有し、調べに動く姿勢は大切です。供養の描写は当時の宗教的前提の上にありますが、持てるものを他者の利益のために差し出す動機の物語として読めます。
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この章句が説くこと

梵天王宮殿の光救一切探求供養共議

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