抱朴子外篇 / 詰鮑
鮑生曰:「王者臨深履尾,不足喻危,假寐待旦,日昃旰食,將何為懼禍及也?」抱朴子難曰:「審能如此,乃聖主也。王者所病,在乎驕奢,賢者不用,用者不賢,夏癸指天日以自喻,秦始憂萬世之同謚,故致傾亡,取笑將來。若能懼危夕惕,廣納規諫,詢草芻堯以待聽,養黃發以乞言,何憂機事之有違,何患百揆之不康。夫戰兢則彜倫敘,怠荒則奸宄作,況無君,能無亂乎?」
新字:鮑生曰:「王者臨深履尾,不足喩危,仮寐待旦,日昃旰食,将何為懼禍及也?」抱朴子難曰:「審能如此,乃聖主也。王者所病,在乎驕奢,賢者不用,用者不賢,夏癸指天日以自喩,秦始憂万世之同謚,故致傾亡,取笑将来。若能懼危夕惕,広納規諫,詢草芻堯以待聴,養黄発以乞言,何憂機事之有違,何患百揆之不康。夫戦兢則彜倫敘,怠荒則奸宄作,況無君,能無乱乎?」
書き下し
鮑生曰く、「王者の深きに臨み尾を履むは、以て危うきを喩うるに足らず。仮寐して旦を待ち、日昃きて旰食す。将に何をか禍の及ぶを懼れん」と。抱朴子難じて曰く、「審らかに能く此の如くんば、乃ち聖主なり。王者の病は、驕奢に在り。賢者用いられず、用いらるる者賢ならず。夏癸は天日を指して以て自ら喩え、秦始は万世の同謚を憂え、故に傾亡を致して、将来に笑いを取る。若し能く危うきを懼れ夕べに惕れ、広く規諫を納れ、芻蕘を詢いて以て聴くを待ち、黄髪を養いて以て言を乞わば、何ぞ機事の違う有るを憂え、何ぞ百揆の康からざるを患えん。夫れ戦兢すれば則ち彜倫敘び、怠荒すれば則ち奸宄作る。況んや無君にして、能く乱れざらんや」と。
現代語訳
鮑生は言う。「王者が深淵に臨み虎の尾を踏む思いでいるというが、危うさを喩えるには足りない。うたた寝して夜明けを待ち、日が傾いてから食事をするほど働くというが、何を禍が及ぶことを恐れるというのか」と。抱朴子は難じて言う。「本当にそのとおりであるなら、それこそ聖主である。王者の病は驕りと奢りにある。賢者は用いられず、用いられる者は賢くない。夏の桀は天の太陽を指して自分を喩え、秦の始皇は万世にわたって同じ諡号が続くことを願い、そのため滅亡を招いて、後世の笑いものになった。もし危うさを恐れて夕べにも慎み、広く諫めを受け入れ、柴刈りや草刈りの庶民にも意見を訊いて聴き、白髪の老人を養って言葉を乞うならば、どうして重要な事が違うことを憂え、どうして百官の政が安らかでないことを患えようか。戦き慎めば人の道は整い、怠り荒れれば悪人が起こる。まして君主がいなければ、乱れないでいられようか」と。
解説
この章句が説くこと
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抱朴子外篇・詰鮑「豈に事の過ち有るを以て都て之を絶つ可けんや。若し虞上に在り、稷・卨事を賛け、宮を卑しくし賦を薄くし、民を使うに時を以てし、節倹の清風を崇び、玉食の明禁を粛せば、質素簡約なる者は、貴びて之を顕し、化を乱し民を侵す者は、黜けて之を戮せば、則ち頌声作りて黎庶安からん。何ぞ必ずしも火災を慮りて屋室を壊し、風波を畏れて大川を填めんや」と。抱朴子曰く、「鮑生の上古無君の論を貴ぶこと、余既に之を駁せり。後に余に答うる所、文多くして尽くは載す能わず。余は稍や其の論を条して之を牒詰すと云う」と。鮑生曰く、「人君は難得の宝を辨じ、奇怪の物を聚め、無益の用を飾り、無已の求を厭かしむ」と。
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抱朴子外篇・詰鮑抱朴子詰じて曰く、「請い問う、古今の帝王、尽く難得の宝を辨じ、奇怪の物を聚むるか。爾らざる者有り。余聞く、唐堯の君たるや、金を山に捐つ。虞舜の禅するや、璧を谷に捐つ。疏食菲服、之を監門に方ぶ。其れ淵に汔らず珠を剖き、巌を傾け玉を刊み、石を鑿ち黄白の鉱を鑠し、海を越え翡翠の羽を裂き、瑇瑁を絶域に網し、丹青を岷漢に掘らざるは、亦た知る可し。夫れ服章殊なる無くんば、則ち威重著れず。名位同じからざれば、則ち礼物数を異にす。是を以て周公は貴賤上下の異を辨じ、宮室居処を式るに、則ち堵雉の限り有り、冠蓋旌旗には、則ち文物の飾り有り、車服器用には、則ち多少の制有り、庖廚の供羞には、則ち法膳の品有り。年兇災眚には、又た之を減撤す。無已の欲、有道に在らず。子の云う所は、以て桀紂の罪を声す可きも、以て雅論の証を定むるに足らざるなり。
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