抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:四靈翳逸,而為隆平之符;幽人嘉遁,而為有國之寶。何必司晨而銜鑣,羈紲於憂責哉?有用人之用也,無用我之用也,徇身者不以名汨和,修生者不以物累己。
新字:抱樸子曰:四霊翳逸,而為隆平之符;幽人嘉遁,而為有国之宝。何必司晨而銜鑣,羈紲於憂責哉?有用人之用也,無用我之用也,徇身者不以名汨和,修生者不以物累己。
書き下し
抱朴子曰く、四霊は逸を翳し、而して隆平の符と為り、幽人は遁を嘉し、而して有国の宝と為る。何ぞ必ずしも晨を司りて鑣を銜み、憂責に羈紲せられんや。人を用うるの用有り、我を用うるの用無し。身に徇う者は名を以て和を汩さず、生を修むる者は物を以て己を累わせず。
現代語訳
抱朴子は言う。四霊(麟・鳳・亀・龍)は姿を隠していても、太平の世のしるしとなり、隠者は世を離れることを善しとしても、国を保つ者の宝となる。どうして時を告げて轡をかみ、憂いと責任に繋がれる必要があろうか。人が役立てるという用もあれば、我を役立てないという用もある。身を養う者は名声のために心の和を乱さず、生を修める者は物のために自分を煩わせない。
解説
目立たぬ在り方にも価値があるという、無用の用を思わせる段です。「四霊は逸を翳し」と、麟や鳳は隠れていても太平の印であり、隠者は国の宝である。鶏のように時を告げ、轡をはめられて責任に縛られる生き方だけが価値ではありません。「生を修むる者は物を以て己を累わせず」。名声や物に自分を引きずられない人です。組織では目立つ貢献が評価されますが、表に出ない人が土台を支えている場合があります。評価されにくい役割の価値を、意識的に見る目が要ります。
この章句が説くこと
四霊は逸を翳し憂責に羈紲せられん生を修むる者は物を以て己を累わせず無用隠者
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