抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:身與名,難兩濟;功與神,鮮並全。支離其德者,苦而必安;用以適世,者樂而多危。故鷙禽以奮擊拘縶,言鳥以智慧見寵,瓊瑤以符辨剖判,三金以琦玩治鑠,蘭茝以芬馨剪刈,文梓以含音受伐。是以翠蚪睹化益而登玄雲,靈鳳值孟戲而反丹穴,子永嘆天倫之偉,漆園悲被繡之犧。
新字:抱樸子曰:身与名,難両済;功与神,鮮並全。支離其徳者,苦而必安;用以適世,者楽而多危。故鷙禽以奮撃拘縶,言鳥以智慧見寵,瓊瑤以符弁剖判,三金以琦玩治鑠,蘭茝以芬馨剪刈,文梓以含音受伐。是以翠蚪睹化益而登玄雲,霊鳳値孟戯而反丹穴,子永嘆天倫之偉,漆園悲被繍之犠。
書き下し
抱朴子曰く、身と名とは両ながら済い難く、功と神とは並び全うすること鮮し。其の徳を支離にする者は、苦しけれども必ず安く、用いて以て世に適う者は、楽しけれども危うきこと多し。故に鷙禽は奮撃を以て拘縶せられ、言鳥は智慧を以て寵せられ、瓊瑤は符弁を以て剖判せられ、三金は琦玩を以て治鑠せられ、蘭茝は芬馨を以て剪刈せられ、文梓は音を含むを以て伐たる。是を以て翠蚪は化益に睹いて玄雲に登り、霊鳳は孟戯に値いて丹穴に反り、子永は天倫の偉を嘆じ、漆園は繡を被る犠を悲しむ。
現代語訳
抱朴子は言う。身と名とは両方を成し遂げることが難しく、功と精神とは並べて全うすることが少ない。自分の徳を役立たずにしている者は、苦しくても必ず安らかであり、才を用いて世に合わせる者は、楽しくても危うさが多い。だから猛禽は撃ちかかる力のために捕らえられ、言葉を話す鳥は知恵のために寵愛され、美玉は印の符として割られ、三種の金属は珍しい宝として溶かされ、蘭や茝は芳香のために刈り取られ、文様のある梓は音を含むために切り倒される。こうして翠蚪は化益に出会って黒雲に登り、霊鳳は孟戯に出会って丹穴に帰り、子永は天の定めの偉大さを嘆き、漆園は刺繍の衣を着せられる犠牲を悲しんだ。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
『呻吟語』内篇・修身・身を愛する者は赫赫の名を貴ばず蝸は涎を以て覓めらる、蟬は身を以て黏せらる、螢は光を以て獲らる。故に身を愛する者は、赫赫の名を貴ばず。
-
『呻吟語』内篇・修身・名心盛んなる者は必ず偽を作す名心盛んなる者は必ず偽を作す。
-
史記 伯夷列伝「君子は世を没して名の称せられざるを疾む」。賈子曰く、「貪夫は財に徇じ、烈士は名に徇じ、夸者は権に死し、衆庶は生を馮む」と。「同明は相ひ照らし、同類は相ひ求む。雲は龍に従ひ、風は虎に従ふ。聖人作りて万物覩はる」。伯夷・叔斉は賢なりと雖も、夫子を得て名益々彰はる。顔淵は篤学なりと雖も、驥尾に附して行ひ益々顕はる。巌穴の士、趣舎此くの若き時有り、類名堙滅して称せられざるは、悲しいかな。閭巷の人、行ひを砥ぎ名を立てんと欲する者は、青雲の士に附くに非ずんば、悪んぞ能く後世に施かんや。
-
孫子・形篇勝を見ること衆人の知る所に過ぎざるは、善の善なる者に非ず。戦い勝ちて天下善と曰うも、善の善なる者に非ず。故に秋毫を挙ぐるも多力と為さず、日月を見るも明目と為さず、雷霆を聞くも聡耳と為さず。
-
『墨子』修身彊からざれば智達せず、言信ならざる者は行果たさず。財に據りて以て人に分かつ能わざる者は、與に友とするに足らず。道を守ること篤からず、物に徧きこと博からず、是非を辯ずること察かならざる者は、與に遊ぶに足らず。本固からざる者は末必ず㡬うく、雄にして脩めざる者は其の後必ず惰る。源濁れば流れ清からず、行い信ならざれば名必ず耗る。名は徒らに生ぜず、而して譽は自ら長ぜず。功成り名遂ぐるも、名譽は虚假す可からず、之を身に反す者なり。言を務めて行を繁くすれば、辯なりと雖も必ず聴かれず。力多くして功を伐れば、勞すと雖も必ず圖られず。慧き者は心辯にして繁説せず、力多くして功を伐らず。此を以て名譽、天下に揚がる。言は多きを為すを務めずして智を為すを務め、文を為すを務めずして察を為すを務む。故に彼の智、察無く、身に在りて情、其の路に反する者なり。善、心に主たること無き者は留まらず、行、身に辯たること無き者は立たず。名は簡にして成る可からざるなり、譽は巧みにして立つ可からざるなり。君子は身を以て行を戴く者なり。利を思うこと尋ぎ、名を忘るること忽やかにして、以て天下に士為る可き者は、未だ嘗て有らざるなり。
-
『呻吟語』内篇・修身・人の知らざる所の隱惡人の共に知る所の顯名無きを患へずして、人の知らざる所の隱惡有るを患ふ。顯名は遠邇に著はると雖も、隱惡は神明に罪を獲る。躬を省みる者之を懼る。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る