呻吟語 / 内篇・修身・身を愛する者は赫赫の名を貴ばず
蝸以涎見覓,蟬以身見黏,螢以光見獲。故愛身者,不貴赫赫之名。
新字:蝸以涎見覓,蟬以身見黏,蛍以光見獲。故愛身者,不貴赫赫之名。
書き下し
蝸は涎を以て覓めらる、蟬は身を以て黏せらる、螢は光を以て獲らる。故に身を愛する者は、赫赫の名を貴ばず。
現代語訳
かたつむりは粘液の跡をたどられて見つけられ、蝉は身を鳴かせて黏り竿に捕らえられ、蛍は光るために捕られます。だから身を大切にする者は、輝かしい名を尊びません。
解説
三つの小さな生き物が、それぞれ自分の持ち味のせいで捕らえられます。跡、声、光。どれもその生き物を目立たせるものです。目立つ働きがそのまま捕獲の手がかりになるという構図を三つ重ね、そこから名声への警戒を導きます。理屈を説かず、三つの具体像だけで結論へ運ぶ、この書の得意な作り方が出ています。持ち味がそのまま弱点になるという構図の三連です。
この章句が説くこと
名声目立つ危険保身比喩
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