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抱朴子外篇 / 行品

執匪懈於夙夜,忘勞瘁於深峻者,勤人也。蒙謗讀言而晏如,不懾懼於可畏者,勁人也。聞榮譽而不歡,遭憂難而不變者,審人也。知事可而必行,不猶豫於群疑者,果人也。循繩墨以進止,不乾沒於僥幸者,謹人也。奉禮度以戰兢,及親屬而無尤者,良人也。履道素而無欲,時雖移而不變者,樸人也。凡此諸行,了無一然,而不躋善人之跡者,下人也。

新字:執匪懈於夙夜,忘労瘁於深峻者,勤人也。蒙謗読言而晏如,不懾懼於可畏者,勁人也。聞栄誉而不歓,遭憂難而不変者,審人也。知事可而必行,不猶予於群疑者,果人也。循縄墨以進止,不乾没於僥幸者,謹人也。奉礼度以戦兢,及親属而無尤者,良人也。履道素而無欲,時雖移而不変者,樸人也。凡此諸行,了無一然,而不躋善人之跡者,下人也。

書き下し

執ること夙夜に匪懈く、労瘁を深峻に忘るる者は、勤人なり。謗りを蒙り言を読みて晏如たり、可畏に懾懼せざる者は、勁人なり。栄誉を聞きて歓ばず、憂難に遭いて変ぜざる者は、審人なり。事の可なるを知れば必ず行い、群疑に猶予せざる者は、果人なり。繩墨に循いて進止し、僥幸に乾没せざる者は、謹人なり。礼度を奉じて戦兢し、親属に及びて尤無き者は、良人なり。道素を履みて欲無く、時移ると雖も変ぜざる者は、樸人なり。凡そ此れ諸行、了に一も然る無くして、善人の跡に躋らざる者は、下人なり。

現代語訳

朝から晩まで怠らず、険しいなかでも疲れを忘れて務める者、これが勤人である。誹謗を受けその言葉を目にしても平然とし、恐れるべきことにも恐れ縮まらない者、これが勁人である。栄誉を聞いても喜ばず、憂いや難儀に遭っても変わらない者、これが審人である。事が可であると知れば必ず行い、皆が疑うなかでもためらわない者、これが果人である。規範に従って進退し、まぐれの得を盗もうとしない者、これが謹人である。礼の度合いを奉じて慎み深く、親族に至るまで過ちのない者、これが良人である。道の素朴さを踏んで欲がなく、時が移っても変わらない者、これが樸人である。およそこれらの諸行のうち、まったく一つも当てはまらず、善人の足跡にも及ばない者、これが下人である。

解説

善人の目録の最後です。勤人・勁人・審人・果人・謹人・良人・樸人と続き、結びに「凡そ此れ諸行、了に一も然る無くして、善人の跡に躋らざる者は、下人なり」と、どれにも当たらない者を置いています。面白いのは、審人の「栄誉を聞きて歓ばず、憂難に遭いて変ぜざる」のように、浮き沈みの時に変わらない落ち着きを一つの徳に数えていることです。成果が出た時と出ない時で態度が変わらない人は、チームの重心になります。派手な突破力に目が行きがちですが、安定感という型にも名前を与えて評価しておくと、地味な貢献が組織から消えません。

この章句が説くこと

栄誉を聞きて歓ばず事の可なるを知れば必ず行い時移ると雖も変ぜざる者は謗りを蒙り言を読みて晏如たり安定決断

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