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抱朴子外篇 / 備闕

天不能平其西北,地不能隆其東南,日月不能摛光於曲穴,沖風湧揚波於井底。擿齒則松槚不及一寸之筵,挑耳則棟梁不如鷦鷯之羽,彈鳥則千金不及丸泥之用,縫緝則長劍不及數寸之針。何必伏巨象而捕鼠,制大鵬以司晨乎?故姜牙賣煦無所售,而見師於文武;蔣生憒慢於百里,而獨步三槐。

新字:天不能平其西北,地不能隆其東南,日月不能摛光於曲穴,沖風湧揚波於井底。擿歯則松槚不及一寸之筵,挑耳則棟梁不如鷦鷯之羽,弾鳥則千金不及丸泥之用,縫緝則長剣不及数寸之針。何必伏巨象而捕鼠,制大鵬以司晨乎?故姜牙売煦無所售,而見師於文武;蒋生憒慢於百里,而独歩三槐。

書き下し

天は其の西北を平らかにする能わず、地は其の東南を隆くする能わず、日月は曲穴に光を摛ぶる能わず、沖風は井底に波を湧揚する能わず。歯を擿れば則ち松槚も一寸の筵に及ばず、耳を挑れば則ち棟梁も鷦鷯の羽に如かず、鳥を弾けば則ち千金も丸泥の用に及ばず、縫緝すれば則ち長剣も数寸の針に及ばず。何ぞ必ずしも巨象を伏して鼠を捕らえ、大鵬を制して晨を司らしめんや。故に姜牙は煦を売りて售るる所無きも、師と文武に見られ、蔣生は百里に憒慢なるも、独り三槐に歩す。

現代語訳

天は西北を平らにすることができず、地は東南を高くすることができず、日月は曲がった穴に光を広げることができず、強い風は井戸の底に波を湧き立たせることができない。歯をほじるには松や楸でも一寸ほどの小枝に及ばず、耳をかくには棟梁の材も鷦鷯の羽に及ばず、鳥を撃つには千金も泥の弾丸一つに及ばず、縫い物をするには長剣も数寸の針に及ばない。どうして、巨象を押さえつけて鼠を捕らえさせたり、大鵬を抑えて夜明けを告げさせたりする必要があろうか。だから、姜太公(呂尚)は息を吹き売り歩いても売れ先がなかったが、文王・武王に師と仰がれ、蔣生は百里の小さな県の務めでは怠慢だったが、ただ一人三槐の列に進んだ。

解説

前の段を受けて、適材適所を物の比喩でたたみかけます。歯をほじるなら松より小枝、縫い物なら長剣より数寸の針。「何ぞ必ずしも巨象を伏して鼠を捕らえ、大鵬を制して晨を司らしめんや」という問いが核心です。大きな才に小さな仕事を当てれば、不満と無駄が出る。逆に、売り物にならなかった姜太公が文王・武王の師になった例もあるとされ、置き場所で値打ちは変わります。人員配置で、最も能力の高い人に細務を重ねていないか。能力の幅ではなく、仕事の大きさとの釣り合いを点検する視点になります。

この章句が説くこと

歯を擿れば則ち松槚も一寸の筵に及ばず巨象を伏して鼠を捕らえ大鵬を制して晨を司らしめんや適材配置大器

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