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抱朴子外篇 / 臣節

其動也,匪訓典弗據焉;其靜也,匪憲章弗循焉。請托無所容,申繩不顧私。明刑而不濫乎所恨,審賞而不加乎附己。不專命以招權,不含洿而談潔。進思盡言以攻謬,退念推賢而不蔽。夙興夜寐,戚庶事之不康也;儉躬約誌,若策奔於薄冰也。納謀貢士,不宣之於口;非義之利,不棲之乎心。立朝則以砥矢為操,居己則以羔羊為節。當危值難,則忘家而不顧命。擥衡執銓,則平懷而無彼此。儀蕭曹之指揮,羨張陳之奇畫,追周勃之盡忠,準二鮑之直視,蹈嬰弘之節叢,執恬毅之守終,甘此離紀炙身之分,戒彼韓英失忠之禍。出不辭勞,入不數功,歸勛引過,讓以先下,專誠祗栗,恒若天威之在顏也;宵夙虔竦,有如湯鑊之在側也。

新字:其動也,匪訓典弗拠焉;其静也,匪憲章弗循焉。請托無所容,申縄不顧私。明刑而不濫乎所恨,審賞而不加乎附己。不専命以招権,不含洿而談潔。進思尽言以攻謬,退念推賢而不蔽。夙興夜寐,戚庶事之不康也;倹躬約誌,若策奔於薄冰也。納謀貢士,不宣之於口;非義之利,不棲之乎心。立朝則以砥矢為操,居己則以羔羊為節。当危値難,則忘家而不顧命。擥衡執銓,則平懐而無彼此。儀蕭曹之指揮,羨張陳之奇画,追周勃之尽忠,準二鮑之直視,蹈嬰弘之節叢,執恬毅之守終,甘此離紀炙身之分,戒彼韓英失忠之禍。出不辞労,入不数功,帰勛引過,譲以先下,専誠祗栗,恒若天威之在顔也;宵夙虔竦,有如湯鑊之在側也。

書き下し

其の動くや、訓典に匪ざれば据らず、其の静かなるや、憲章に匪ざれば循わず。請托は容るる所無く、申縄は私を顧みず。刑を明らかにして恨む所に濫りにせず、賞を審らかにして己に附くに加えず。命を専らにして以て権を招かず、洿を含みて潔きを談ぜず。進みては言を尽くして以て謬りを攻むるを思い、退きては賢を推して蔽わざるを念う。夙に興き夜に寝ね、庶事の康んぜざるを戚え、躬を倹にし志を約し、奔を薄冰に策つが若し。謀を納れ士を貢するも、之を口に宣べず。非義の利は、之を心に棲まわさず。朝に立ちては砥矢を以て操と為し、己に居りては羔羊を以て節と為す。危うきに当たり難に値えば、家を忘れて命を顧みず、衡を擥り銓を執れば、懐いを平らかにして彼此無し。蕭曹の指揮に儀り、張陳の奇画を羨み、周勃の尽忠を追い、二鮑の直視に準い、嬰弘の節叢を蹈み、恬毅の守終を執り、此の離紀炙身の分を甘んじ、彼の韓英の失忠の禍を戒む。出でては労を辞せず、入りては功を数えず、勲を帰し過ちを引き、譲りて以て下に先んじ、専誠祗栗として、恒に天威の顔に在るが若く、宵夙虔竦して、湯鑊の側に在るが如し。

現代語訳

その行動は、訓典でなければ拠らず、その静かなときは、憲章でなければ従わない。頼み事を受け入れず、縄を伸ばして糾すときは私情を顧みない。刑を明らかにして恨む相手に濫りに加えず、賞を審らかにして自分に付き従う者に与えない。命令を専断して権勢を招くことをせず、汚れを抱えながら清らかさを語らない。進み出ては言を尽くして誤りを攻めることを思い、退いては賢者を推薦して覆い隠さないことを念じる。朝早く起き夜遅く寝て、諸事が安らかでないことを憂え、身を倹約し志を引き締め、薄氷の上で馬を走らせるようである。謀を納め士を推挙しても、それを口には出さない。義に非ざる利益は、心に住まわせない。朝廷に立てば砥石や矢のような直さを操とし、家に居れば羔羊の詩のような質素を節度とする。危うい難に当たれば、家を忘れて命を顧みず、秤を取り天秤を執れば、心を平らかにして彼此の別がない。蕭何・曹参の指揮にならい、張良・陳平の奇策を羨み、周勃の尽忠を追い、二鮑の直視に準じ、嬰弘の節操の群れを踏み、恬毅の守りを終わりまで保ち、法に離れ身を焼かれる分を甘んじ、あの韓英の忠を失った禍いを戒める。出ては労を辞さず、入っては功を数えず、功績を譲り過ちを引き受け、謙譲して下の者に先んじ、まごころを込めて恐れ慎み、いつも天の威光が顔にあるように、夜明け前から畏まって、湯の煮え立つ釜のそばにあるようにする。

解説

理想の臣のふるまいを細かく挙げた段です。「請托は容るる所無く」「刑を明らかにして恨む所に濫りにせず、賞を審らかにして己に附くに加えず」と、私情を賞罰から切り離す。さらに「謀を納れ士を貢するも、之を口に宣べず」と、人を推薦しても恩に着せない点も見逃せません。出ては労を辞さず、入っては功を数えず、功績を譲り過ちを引き受けるという結びは、管理職の振る舞いの基本です。人名の列挙は多いものの、要は規範に従い、私心を排し、功を誇らない姿勢にまとまります。現代でも、賞罰に自分の都合が入っていないかを点検する基準になります。

この章句が説くこと

請托は容るる所無く賞を審らかにして己に附くに加えず謀を納れ士を貢するも勲を帰し過ちを引き公平無私

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