格言聯璧 / 處事類・己の事を謀ること人の事の如くす
代人做事,極要耐得迂滯,耐得反覆,耐得瑣碎。 謀人事如己事,而後慮之也審。 謀己事如人事,而後見之也明。 無心者公,無我者明。
新字:代人做事,極要耐得迂滞,耐得反覆,耐得瑣砕。 謀人事如己事,而後慮之也審。 謀己事如人事,而後見之也明。 無心者公,無我者明。
書き下し
人に代りて事を做すには、極めて迂滯に耐へ得、反覆に耐へ得、瑣碎に耐へ得るを要す。 人の事を謀ること己の事の如くにして、而る後に之を慮ること審らかなり。 己の事を謀ること人の事の如くにして、而る後に之を見ること明らかなり。 心無き者は公に、我無き者は明らかなり。
現代語訳
人に代わって事をするときは、回りくどく滞ることにも、何度もやり直すことにも、細かく煩わしいことにも、よく耐えなければなりません。 人の事を自分の事のように考えてこそ、よく行き届いた思慮ができます。 自分の事を人の事のように考えてこそ、はっきりと見通すことができます。 私心のない人は公平であり、我のない人は物事がよく見えます。
解説
前の単位の「自分の事は迂滞・反覆・瑣砕を避けよ」と対になり、人の事を代わりにするときは、その三つにこそ耐えよと説きます。他人の仕事は相手の意向に沿うため、どうしても手間がかかるからです。次の対句が鮮やかで、人の事は自分の事のように親身に考えれば思慮が行き届き、自分の事は人の事のように突き放して見れば明らかになると言います。最後の句は、その理由を、私心がなければ公平に、我がなければ明晰になるとまとめます。人の相談には親身すぎるほどに、自分の悩みには他人事のように距離を置いて考える。視点を入れ替えるこの方法は、判断に迷ったときの有効な手がかりになります。
この章句が説くこと
処事無私公平思慮客観
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