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碧巌録 / 第九十八則

垂示云。一夏嘮嘮打葛藤。幾乎絆倒五湖僧。金剛寶劍當頭截。始覺從來百不能。且道作麼生是金剛寶劍。眨上眉毛。試請露鋒鋩看。

新字:垂示云。一夏嘮嘮打葛藤。幾乎絆倒五湖僧。金剛宝剣当頭截。始覚従来百不能。且道作麼生是金剛宝剣。眨上眉毛。試請露鋒鋩看。

書き下し

垂示に云く、一夏嘮嘮として葛藤を打す、幾ど五湖の僧を絆倒せんとす。金剛宝剣当頭に截りて、始めて覚る従来百も能くせざることを。且く道へ、作麼生か是れ金剛宝剣。眉毛を眨上して、試みに請ふ鋒鋩を露はし看よ。

現代語訳

垂示に言う。ひと夏のあいだくどくどと言葉の葛藤を説き、あやうく天下の僧たちをつまずかせて倒すところであった。金剛の宝剣で真っ向から断ち切られてはじめて、これまで何ひとつできていなかったと気づく。さて言ってみよ、金剛の宝剣とは何か。眉毛を上げて、どうか切っ先を現してみせよ。

解説

これは第九十八則、天平の「両錯」の話に圜悟が掲げた垂示である。圜悟は、一夏の安居のあいだくどくどと説いてきた言葉が、かえって修行僧たちの足をからめ取ったかもしれないと自ら顧みる。言葉の葛藤は、金剛の宝剣で真っ向から断ち切られてはじめて、自分がこれまで何もできていなかったと気づかせる。その宝剣とは何かを問い、眉を上げて切っ先を見せよと迫るのが結びである。本則では、西院の二度の「錯」が、まさにこの宝剣として天平に振り下ろされる。説明を重ねるほど相手を迷わせることがある。仕事でも、核心を一言で断つ力を磨きたい。

この章句が説くこと

金剛宝剣葛藤垂示言葉分別修行

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