碧巌録 / 第八十二則
垂示云。竿頭絲線具眼方知。格外之機作家方辨。且道作麼生是竿頭絲線格外之機。試舉看。
新字:垂示云。竿頭糸線具眼方知。格外之機作家方弁。且道作麼生是竿頭糸線格外之機。試舉看。
書き下し
垂示に云く、竿頭の糸線、眼を具して方に知る。格外の機、作家方に辨ず。且く道へ、作麼生か是れ竿頭の糸線、格外の機。試みに挙す、看よ。
現代語訳
垂示にいう。竿の先の釣り糸の動きは、眼を備えた者だけが知る。型を外れたはたらきは、手練れだけが見分ける。さあ言ってみよ、竿の先の釣り糸、型を外れたはたらきとはどういうものか。試みに取り上げるから看よ。
解説
第八十二則の垂示である。圜悟は釣り竿の先の糸の微かな動きを例に、それを見抜けるのは眼を具えた者だけだと言う。型を外れたはたらき、すなわち格外の機も、手練れの作家でなければ見分けられない。ここで問われているのは、知識の量ではなく、目の前の小さな兆しを見て取る眼である。続く本則で大龍は、法身を問われて山の花と谷の水を答えるが、それも格外の機の一例として示されている。仕事の現場でも、決定的な変化はまず小さな兆しとして現れる。糸の震えを見逃さない眼を養うことが求められているのである。
この章句が説くこと
垂示眼力公案機鋒作家竿頭糸線
関連する章句
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『碧巌録』第六十三則垂示に云く、意路到らざるところ、正に好し提撕するに。言詮及ばざるところ、宜しく急ぎ眼を著くべし。若也し電転じ星飛ばば、便ち湫を傾け嶽を倒すべし。衆中、辨得する底有ること莫しや。試みに挙し看ん。
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