導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

兵要録抄録 / 義なき勇は猛獣と同じ

勇不配於義。則唯〻屬於血氣。養而益强狠也。夫惟〻强狠而無義。故趨利避害。而無所用恥焉。此依權勢。則可驅之。遇困危。則不可恃之。夫人若玆。則與虎狼奚擇哉。虎狼之性。猛而有力。其遇蟄入邑。擇人而食。走負嵎莫之敢攖者。人皆懼猛獸之威。其至見獲于陷阱。而剪其爪。縻其足。呼而隨之。嗾而走之。需食於人者。與彼貓兒狗子無以異也。爲士者無義無智。則雖膽氣壯健。其賤劣安得而異於是乎。

新字:勇不配於義。則唯〻属於血気。養而益強狠也。夫惟〻強狠而無義。故趨利避害。而無所用恥焉。此依権勢。則可駆之。遇困危。則不可恃之。夫人若玆。則与虎狼奚択哉。虎狼之性。猛而有力。其遇蟄入邑。択人而食。走負嵎莫之敢攖者。人皆懼猛獣之威。其至見獲于陥阱。而剪其爪。縻其足。呼而随之。嗾而走之。需食於人者。与彼貓児狗子無以異也。為士者無義無智。則雖胆気壮健。其賤劣安得而異於是乎。

書き下し

勇、義に配せざれば、則ち唯〻血氣に屬し、養ひて益〻强狠なり。夫れ惟〻强狠にして義無し、故に利に趨き害を避けて、恥を用ふる所無し。此は權勢に依れば則ち之を驅るべし。困危に遇へば則ち之を恃むべからず。夫れ人若し玆の若くんば、則ち虎狼と奚ぞ擇ばん。虎狼の性は、猛にして力有り。其の蟄に遇ひ邑に入るや、人を擇びて食ふ。走りて嵎を負へば、敢へて攖るもの莫し。人皆猛獸の威を懼る。其の陷阱に獲らるるに至りては、其の爪を剪り、其の足を縻ぎ、呼べば隨ひ、嗾ければ走り、食を人に需むる者は、彼の貓兒狗子と以て異なる無きなり。士爲る者、義無く智無くんば、則ち膽氣壯健なりと雖も、其の賤劣、安んぞ是に異ならんや。

現代語訳

勇気が義と結びつかなければ、ただの血気にすぎず、養うほどにますます凶暴になります。凶暴で義がないので、利に走り害を避け、恥というものを働かせません。そういう者は権勢に頼れば駆り立てることはできますが、困難や危険に遭えばあてにできません。人がもしこのようであれば、虎や狼と何が違うでしょうか。虎や狼の性質は猛々しく力があり、冬ごもりの時期に里に入れば、人を選んで食らいます。走って山の隅を背にすれば、誰も手を出せず、人はみな猛獣の威に恐れます。しかし落とし穴にかかって捕らえられると、爪を切られ足をつながれ、呼べば従い、けしかければ走り、人に餌をもらう身となり、猫や子犬と変わりません。士たる者が、義も智もなければ、胆力が強く壮健であっても、その卑しさと劣った姿は、これとどうして違うでしょうか。

解説

義なき勇を虎狼にたとえ、強さそのものに価値があるわけではないと述べる章です。権勢で駆り立てれば動くが、困難に遭えば頼れず、捕らわれれば猫や犬と変わらないという辛辣な比喩が使われています。原文の一部には読みの難しい表現があり、大意でとらえました。現代では、成績だけが突出して倫理や判断力に欠ける人材に当たります。短期の数字は出せても、危機でいちばんに崩れ、組織を傷つけることがあります。採用や登用では、強さの質、つまり義と智が伴うかを見極める必要があります。

この章句が説くこと

兵要録練心胆義なき勇血気人材登用虎狼

関連する章句

『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。

本の中身を見る
本2冊(人生の方程式・人生の教科書)+師導1か月=700円本を見る