兵法家伝書 / 新陰流外物進履橋火を持つ者に掛る
火を持候者に掛り樣之事 一 大形左に火を持事なればたい松にても挑灯にても同じ事也。火を消に利有。又しつ(失)有り。火を持候こぶしを切候事了簡有べし。闇の樣にくらく成候事は互に利成難し。灯を手前の用に立候樣の心持肝要なり。其心得は何にても影を取候へばあなたの光にて敵の方は能く見へ、手前は楯に取候物の陰に成り見え候事さだかならず。却て敵の火は手前の光に成候て利多きもの也。此心持肝要なり。
新字:火を持候者に掛り様之事 一 大形左に火を持事なればたい松にても挑灯にても同じ事也。火を消に利有。又しつ(失)有り。火を持候こぶしを切候事了簡有べし。闇の様にくらく成候事は互に利成難し。灯を手前の用に立候様の心持肝要なり。其心得は何にても影を取候へばあなたの光にて敵の方は能く見へ、手前は楯に取候物の陰に成り見え候事さだかならず。却て敵の火は手前の光に成候て利多きもの也。此心持肝要なり。
書き下し
火を持候者に掛り樣之事 一 大形左に火を持事なればたい松にても挑灯にても同じ事也。火を消に利有。又しつ(失)有り。火を持候こぶしを切候事了簡有べし。闇の樣にくらく成候事は互に利成難し。灯を手前の用に立候樣の心持肝要なり。其心得は何にても影を取候へばあなたの光にて敵の方は能く見へ、手前は楯に取候物の陰に成り見え候事さだかならず。却て敵の火は手前の光に成候て利多きもの也。此心持肝要なり。
現代語訳
火を持つ者に掛かり様のこと。一、おおかた左に火を持つことであるから、松明でも提灯でも同じことである。火を消すのに利がある。また失もある。火を持つこぶしを切ることは、思案があるべきである。闇のように暗くなることは、互いに利を得がたい。灯を手前の用に立つようにする心持ちが肝要である。その心得は、何にでも影を取れば、あちらの光で敵の方はよく見え、手前は楯に取った物の陰になって見えることがはっきりしない。かえって敵の火は手前の光になって利が多いものである。この心持ちが肝要である。
解説
この章句が説くこと
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