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兵法家伝書 / 新陰流外物進履橋氣を見る

氣を見心持之事 一 天之氣にあらず、口傳ならでは難傳。孔明魏を討爲成都出陣之折、天の時惡し。然共出て司馬懿と對陣の內に死す。是に付大に口傳有之。

新字:気を見心持之事 一 天之気にあらず、口伝ならでは難伝。孔明魏を討為成都出陣之折、天の時悪し。然共出て司馬懿と対陣の内に死す。是に付大に口伝有之。

書き下し

氣を見心持之事 一 天之氣にあらず、口傳ならでは難傳。孔明魏を討爲成都出陣之折、天の時惡し。然共出て司馬懿と對陣の內に死す。是に付大に口傳有之。

現代語訳

気を見る心持ちのこと。一、天の気ではない。口伝でなければ伝えがたい。諸葛孔明は魏を討つために成都を出陣した際、天の時が悪かった。それでも出陣して、司馬懿と対陣しているうちに亡くなった。このことについて、大いに口伝がある。

解説

進履橋の最初に置かれた段で、「気を見る」ことは天の気ではないと断りつつ、中身は口伝に譲っています。引き合いに出されるのは、天の時が悪いと知りながら出陣し、司馬懿との対陣の最中に世を去った孔明です。宗矩はその失敗や成功を論評せず、ここに大いに口伝があるとだけ記します。つまり文字にすれば誤解を招く領域だと見ているのでしょう。現代の組織でも、市況や空気を読む力は数字だけでは伝わらず、現場で先輩から後輩へ渡されます。時機が悪いと分かっていて動くときに何を見て決めるのかを、自分の言葉で説明できるかが問われます。

この章句が説くこと

気を見る口伝時機孔明見切り兵法家伝書

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