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兵法家伝書 / 活人劔心を見付けて悟る

此心を一度見付てさとり明る事大切也、人ごとに我は心を見ひらきてよく我心をつかひ得たりと云とも、此心をとくと見付たる人はまれ也となり、さとらざるしるしは、其身にあらはるべし、見しらざる者は、よく見しるべし、さとりたらば、一切のするわざ言ふ事其身のおこなひすぐなるべし、すくならずば明らめたる人とはいひがたしと也、

書き下し

此心を一度見付てさとり明る事大切也、人ごとに我は心を見ひらきてよく我心をつかひ得たりと云とも、此心をとくと見付たる人はまれ也となり、さとらざるしるしは、其身にあらはるべし、見しらざる者は、よく見しるべし、さとりたらば、一切のするわざ言ふ事其身のおこなひすぐなるべし、すくならずば明らめたる人とはいひがたしと也、

現代語訳

この心を一度見つけて悟り明らめることが大切である。人々は皆、自分は心を見開いて、よく自分の心を使いこなしていると言うけれども、この心をしっかりと見つけた人はまれである、とのことである。悟っていない証拠は、その身に現れるだろう。見知らない者は、よく見知るがよい。悟ったならば、一切のする仕事も言うことも、その身の行いも素直であろう。素直でないなら、明らめた人とは言いがたい、とのことである。

解説

心を一度見つけて悟り明らめることが大切だと言い、そのうえで、自分は心を使いこなしていると言う人は多いが、本当に見つけた人はまれだと指摘します。悟りの有無の判定基準は、その人の言動と行いが素直であるかどうかに置かれます。悟っていない証拠はその身に現れる、という言い方は、内面は外から判定できるという実践的な立場です。素直でなければ明らめた人とは言えない、という基準は、知識や弁舌の巧みさでは測らないという意味を持ちます。現代の組織でも、言葉は立派でも言動に一貫性がなく、態度に裏表のあるリーダーは信頼されません。自分の理解の深さは、自己申告ではなく日々の振る舞いで試される、という戒めとして読めます。

この章句が説くこと

悟り素直言行一致心を見付けるまれ兵法家伝書

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