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群書治要 / 『群書治要』晉書下・聖人も惜しんだ寸陰を惜しむ

常語人曰:大禹聖者、乃惜寸陰、至於衆人、當惜分陰、豈可逸游荒醉、生無益於時、死無聞於後、是自弃也。諸參佐或以談戲廢事者、乃命取蒱博之具悉投之于江、吏將則加鞭朴。曰:樗蒱者、牧奴戲耳、老莊浮華、非先王之法言、不可行也。君子當正其衣冠、攝其威儀、何有亂頭養望、自謂宏達邪、於是朝野用命、移風易俗。

新字:常語人曰:大禹聖者、乃惜寸陰、至於衆人、当惜分陰、豈可逸游荒酔、生無益於時、死無聞於後、是自弃也。諸参佐或以談戯廃事者、乃命取蒱博之具悉投之于江、吏将則加鞭朴。曰:樗蒱者、牧奴戯耳、老荘浮華、非先王之法言、不可行也。君子当正其衣冠、摂其威儀、何有乱頭養望、自謂宏達邪、於是朝野用命、移風易俗。

書き下し

常に人に語りて曰く、大禹は聖者なるに、乃ち寸陰を惜しむ。衆人に至りては、当に分陰を惜しむべし。豈に逸遊荒酔して、生きては時に益無く、死しては後に聞こゆる無く、是れ自ら棄つるなり、と。諸もろの参佐、或いは談戯を以て事を廃する者あれば、乃ち命じて蒱博の具を取りて悉く之を江に投じ、吏将には則ち鞭朴を加う。曰く、樗蒲は牧奴の戯れのみ。老荘は浮華にして、先王の法言に非ず、行う可からざるなり。君子は当に其の衣冠を正し、其の威儀を摂むべし。何ぞ乱頭して望を養い、自ら宏達と謂う有らんや、と。是に於いて朝野命を用い、風を移し俗を易う。

現代語訳

陶侃はつねづね人に語って言いました。「大禹は聖人でありながら、わずかな時間をも惜しんだ。凡人であればなおさら、分刻みの時間を惜しむべきである。遊びほうけて酒に溺れ、生きては世に益がなく、死んでは後世に名も聞こえないというのは、自分で自分を見捨てることだ。」幕僚たちのうち、談笑や遊びで仕事を滞らせる者があれば、命じて博打の道具を取り上げ、すべて川に投げ捨てさせ、下役の将には鞭や棒の罰を加えました。そして言いました。「樗蒲は牧童や奴僕の遊びにすぎない。老荘の説は浮ついた飾りで、先王の正しい言葉ではなく、実行すべきものではない。君子は衣冠を正し、威儀を整えるべきだ。どうして髪を乱して名声を養い、自ら度量が広く物事に通じているなどと言えようか。」こうして朝廷も民間も命令に従い、風俗が改まりました。

解説

東晋の陶侃は荊州刺史として、職務を怠る風潮を改めた人物です。聖人の禹ですら寸陰を惜しんだのだから、凡人は分陰を惜しむべきだと語り、部下が遊戯や談論で仕事を滞らせると、博打の道具を川に投げ捨てさせました。当時は老荘の清談が流行し、仕事を軽んじることを高尚とする風潮があり、それへの反発も背景にあります。ただし、遊びの道具を処分し、鞭で罰する手法は今日には適しません。時間を惜しむ姿勢を自ら示し、基準を言葉にして組織の空気を変えた点が学びになります。
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この章句が説くこと

陶侃惜分陰寸陰清談風俗規律

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