古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

群書治要 / 『群書治要』吳志下・厳罰より功を記して用いる

臣以為科法嚴峻、下犯者多、頃年以來、將吏罹罪、雖不慎可責、然天下未一、當圖進取、小宜恩貸、以安下情、且世務日興、良能為先、自不奸穢入身難忍之過、乞復顯用、展其力效、此乃聖王忘過記功、以成王業也。昔漢高舍陳平之愆、用其奇略、終建勛祚、功垂千載、夫峻法嚴刑、非帝王之隆業、有罰無恕、非懷遠之弘規也。

新字:臣以為科法厳峻、下犯者多、頃年以来、将吏罹罪、雖不慎可責、然天下未一、当図進取、小宜恩貸、以安下情、且世務日興、良能為先、自不奸穢入身難忍之過、乞復顕用、展其力効、此乃聖王忘過記功、以成王業也。昔漢高舎陳平之愆、用其奇略、終建勛祚、功垂千載、夫峻法厳刑、非帝王之隆業、有罰無恕、非懐遠之弘規也。

書き下し

臣以為えらく、科法は厳峻にして、下の犯す者多し。頃年以来、将吏の罪に罹る者は、慎まざるは責むべしと雖も、然れども天下未だ一ならず、当に進取を図るべし。小しく宜しく恩貸して以て下情を安んずべし。且つ世務日び興り、良能を先と為す。奸穢身に入るの忍び難き過ちならざる自りは、乞う復た顕用し、其の力効を展べしめんことを。此れ乃ち聖王の過ちを忘れ功を記して、以て王業を成す所以なり。昔漢高は陳平の愆を舎き、其の奇略を用い、終に勲祚を建て、功は千載に垂る。夫れ峻法厳刑は、帝王の隆業に非ず。罰有りて恕無きは、遠きを懐くるの弘規に非ざるなり。

現代語訳

私が思いますに、法の定めが厳しく、罪を犯す者が多くなっています。ここ数年、将や役人で罪にかかった者は、慎まなかった点は責めるべきですが、天下はまだ統一されておらず、進んで事を成すことを図らねばなりません。少しは恩情をもって寛大に扱い、下の者の心を安らかにするのがよいでしょう。しかも世の務めは日に日に増え、有能な人材が第一です。よこしまで汚れた行いが身についた許しがたい過ちでない限りは、どうか再び目立つ役に用い、その力を発揮させてください。これこそ聖王が過ちを忘れて功を記し、王業を成し遂げた方法です。昔、漢の高祖は陳平の過失を問わず、その奇略を用い、ついに功業を打ち立てて、その功は千年にわたって伝わりました。そもそも厳しい法と刑罰は、帝王の盛んな事業ではありません。罰するばかりで許しがないのは、遠くの者を懐かせる広い規範ではないのです。

解説

呉の陸遜が孫権に奉った上書の一節です。法の定めが厳しすぎて罪を犯す者が多く、天下統一をめざす今は、将や役人の過ちに少し寛大な処遇を与え、よこしまで汚れた行いでない限りは再び登用して力を発揮させるべきだと述べ、劉邦が陳平の過去を問わずに用いて功を立てた例を挙げます。失敗を理由に有能な人を外し続ける組織は、結局人材を失います。不正や背信まで許すという話ではなく、悪意の有無の線引きが前提です。失敗した部下に、取り返す機会を設けているでしょうか。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。

本の中身を見る

この章句が説くこと

陸遜恩貸忘過記功陳平峻法人材登用

関連する章句

本2冊(人生の方程式・人生の教科書)+師導1か月=700円本を見る