古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

群書治要 / 『群書治要』魏志・陛下の仕事ではありません

陳矯、字季弼、廣陵人也。遷尚書令、明帝嘗卒至尚書門。矯跪問帝曰:陛下欲何之。曰:欲案行文書耳。矯曰:此自臣職分、非陛下所宜臨也。若臣不稱其職、則請就黜退、陛下宜還、帝慚、回車而反、其亮直如此。

新字:陳矯、字季弼、広陵人也。遷尚書令、明帝嘗卒至尚書門。矯跪問帝曰:陛下欲何之。曰:欲案行文書耳。矯曰:此自臣職分、非陛下所宜臨也。若臣不称其職、則請就黜退、陛下宜還、帝慚、回車而反、其亮直如此。

書き下し

陳矯、字は季弼、広陵の人なり。尚書令に遷る。明帝嘗て卒かに尚書の門に至る。矯跪きて帝に問いて曰く、陛下、何くにか之かんと欲する。曰く、文書を案行せんと欲するのみ。矯曰く、此れ自ずから臣の職分にして、陛下の宜しく臨むべき所に非ず。若し臣其の職に称わずんば、則ち請う黜退に就かん。陛下宜しく還りたまえ。帝慙じ、車を回らして反る。其の亮直なること此くの如し。

現代語訳

陳矯は、字を季弼といい、広陵の人です。尚書令に昇進しました。あるとき明帝が突然、尚書台の門にやって来ました。矯はひざまずいて尋ねました。「陛下は、どちらへ行かれますか。」帝は言いました。「文書を見回りたいだけだ。」矯は言いました。「これはもとより私の職分であり、陛下がお出ましになることではありません。もし私がその職にふさわしくないのでしたら、どうぞ罷免してください。陛下はお戻りください。」帝は恥じて、車を回して帰りました。陳矯のまっすぐな人柄はこのようでした。

解説

陳矯は魏の明帝に仕えた尚書令で、人事や文書をつかさどる重職にありました。皇帝が突然視察に来たとき、見られて困るからではなく、自分の職分だから任せてほしいと断り、不足があれば自分を替えるよう申し出ています。責任を引き受ける覚悟と、職務の線引きを示した言葉です。上司が部下の仕事に口を出しすぎる場面は多くあります。任せたと言いながら細部まで確認に入ると、担当者の責任感は育ちません。任せる側は、不満があれば手を出すのではなく、人を替えるか信じるか決める、という筋の通し方を学べます。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。

本の中身を見る

この章句が説くこと

職分尚書令任せる責任陳矯越権

関連する章句

本2冊(人生の方程式・人生の教科書)+師導1か月=700円本を見る