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五常訓 / 巻之五・智

よき師友を求めて、其敎をうけて、よきすぢの學問し、書を讀み、ひろく見、多く聞き、よく思慮して、我が心に道理をもとめ、是を以て、心をひらき、智を明かにすべし。師友に求むるの道は、我が身をへりくだりて、自ら是とせず。好んで人に問ひて、ひろく聞くべし。我が智に自滿して、ほこる事なかれ。我にほこれば、必我が智を失ふ。凡聞見をひろくすると、我が心に思案すると、是智をもとむるの道なり。

新字:よき師友を求めて、其教をうけて、よきすぢの学問し、書を読み、ひろく見、多く聞き、よく思慮して、我が心に道理をもとめ、是を以て、心をひらき、智を明かにすべし。師友に求むるの道は、我が身をへりくだりて、自ら是とせず。好んで人に問ひて、ひろく聞くべし。我が智に自満して、ほこる事なかれ。我にほこれば、必我が智を失ふ。凡聞見をひろくすると、我が心に思案すると、是智をもとむるの道なり。

書き下し

よき師友を求めて、其教をうけて、よきすぢの学問し、書を読み、ひろく見、多く聞き、よく思慮して、我が心に道理をもとめ、是を以て、心をひらき、智を明かにすべし。師友に求むるの道は、我が身をへりくだりて、自ら是とせず。好んで人に問ひて、ひろく聞くべし。我が智に自満して、ほこる事なかれ。我にほこれば、必我が智を失ふ。凡聞見をひろくすると、我が心に思案すると、是智をもとむるの道なり。

現代語訳

良い師や友を求めてその教えを受け、筋のよい学問をし、書を読み、広く見て多く聞き、よく思慮して、自分の心に道理を求め、これによって心を開き、智を明らかにすべきです。師や友に求める道は、自分の身をへりくだらせて、自分を正しいとしないことです。好んで人に問い、広く聞くべきです。自分の智に満足して誇ってはいけません。自分を誇れば、必ず自分の智を失います。およそ見聞を広めることと、自分の心で思案すること、これが智を求める道です。

解説

智という宝を得る方法として、益軒は良い師友に就くこと、書を読むこと、広く見聞すること、そして自分で考えることを挙げます。とりわけ強調するのは謙虚さで、自分の智に満足して誇れば必ず智を失うと戒めます。益軒自身、若いころから京都や江戸で多くの学者と交わり、晩年まで人に問うことを惜しまなかった人でした。わからないことを聞けない、部下や若手の意見を聞けないという状態は、年齢や立場が上がるほど陥りやすい落とし穴です。

この章句が説くこと

智師友読書謙虚学問

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