五常訓 / 巻之三・仁之下
一程子曰、四德之元、猶五常之仁、偏言則一事、專言則包四者。いふ意は、天の元亨利貞の四德は、元を以て兼ねたり。元は天の物を生ずる理なり。これを以て、亨利貞をつらぬけり。春の生氣を以て、夏秋冬をつらぬくが如し。五常の仁も、亦かくの如し。仁を以て、義禮智をつらぬけり。天の四德も、人の四德も、ひとつひとつならべ、平かにしていへば、各一事なり。專にとは、すべて云ふなり。すべていへば、元を以て亨利貞をかね、仁を以て義禮智をかぬ。
新字:一程子曰、四徳之元、猶五常之仁、偏言則一事、専言則包四者。いふ意は、天の元亨利貞の四徳は、元を以て兼ねたり。元は天の物を生ずる理なり。これを以て、亨利貞をつらぬけり。春の生気を以て、夏秋冬をつらぬくが如し。五常の仁も、亦かくの如し。仁を以て、義礼智をつらぬけり。天の四徳も、人の四徳も、ひとつひとつならべ、平かにしていへば、各一事なり。専にとは、すべて云ふなり。すべていへば、元を以て亨利貞をかね、仁を以て義礼智をかぬ。
書き下し
一程子曰く、四徳の元は、猶五常の仁のごとし、偏言すれば則ち一事、専言すれば則ち四者を包ぬ。いふ意は、天の元亨利貞の四徳は、元を以て兼ねたり。元は天の物を生ずる理なり。これを以て、亨利貞をつらぬけり。春の生気を以て、夏秋冬をつらぬくが如し。五常の仁も、亦かくの如し。仁を以て、義礼智をつらぬけり。天の四徳も、人の四徳も、ひとつひとつならべ、平かにしていへば、各一事なり。専にとは、すべて云ふなり。すべていへば、元を以て亨利貞をかね、仁を以て義礼智をかぬ。
現代語訳
程子は「四徳の元は、五常の仁のようなものである。偏っていえば一つの事であり、まとめていえば四つを包む」といいました。その意味は、天の元亨利貞の四徳は、元によってかねられているということです。元は天が物を生ずる理です。これによって亨利貞をつらぬいています。春の生気によって夏秋冬をつらぬくようなものです。五常の仁もまたこのようなものです。仁によって義礼智をつらぬいています。天の四徳も人の四徳も、一つ一つ並べて平らにいえば、それぞれ一つの事です。専らにとは、まとめていうことです。まとめていえば、元によって亨利貞をかね、仁によって義礼智をかねます。
解説
この章句が説くこと
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