導師導古典を学びたいすべての人に

五常訓 / 巻之二・仁之上

其内にも、貴賤親疎の次第あり。次に物を愛す。物とは禽獸、草木を云とりけだもの草木を愛するも、各次第あり。先鳥獸を愛し、次に草木に及ぶべし。親を親み、民を仁し、物を愛するは、輕重の次第あり。親を親むは尤あつく、民を仁する是につぎ、物を愛するは民を仁するより輕し。此三は、すべていへば皆仁なり。其厚薄の次第、みだるべからず。是自然の理にして、しひて次第をわかつにはあらず。

新字:其内にも、貴賤親疎の次第あり。次に物を愛す。物とは禽獣、草木を云とりけだもの草木を愛するも、各次第あり。先鳥獣を愛し、次に草木に及ぶべし。親を親み、民を仁し、物を愛するは、軽重の次第あり。親を親むは尤あつく、民を仁する是につぎ、物を愛するは民を仁するより軽し。此三は、すべていへば皆仁なり。其厚薄の次第、みだるべからず。是自然の理にして、しひて次第をわかつにはあらず。

書き下し

其内にも、貴賤親疎の次第あり。次に物を愛す。物とは禽獣、草木を云とりけだもの草木を愛するも、各次第あり。先鳥獣を愛し、次に草木に及ぶべし。親を親み、民を仁し、物を愛するは、軽重の次第あり。親を親むは尤あつく、民を仁する是につぎ、物を愛するは民を仁するより軽し。此三は、すべていへば皆仁なり。其厚薄の次第、みだるべからず。是自然の理にして、しひて次第をわかつにはあらず。

現代語訳

その中にも、貴賤や親疎の順序があります。次に物を愛します。物とは禽獣・草木をいいます。鳥獣や草木を愛するにも、それぞれ順序があります。まず鳥獣を愛し、次に草木に及ぼすべきです。親を親しみ、民に仁をほどこし、物を愛するのには、軽重の順序があります。親を親しむのを最も厚くし、民に仁をほどこすのはこれに次ぎ、物を愛するのは民に仁をほどこすより軽いのです。この三つは、まとめていえばみな仁です。その厚薄の順序を乱してはなりません。これは自然の理であって、無理に順序を分けるのではありません。

解説

前の段を受けて、民の中にも貴賤親疎の順序があり、物の中でもまず鳥獣、次に草木と、愛の厚薄を乱さないようにと説いています。三つはまとめればみな仁だが、軽重をわきまえることが大切だという朱子学の「理一分殊」の考え方がここにも表れています。すべてを同じ重さで扱おうとすると、かえって身近な責任をおろそかにしかねません。限られた時間や力をどこにどれだけ注ぐかを考える優先順位の感覚は、仕事でも家庭でも欠かせないものです。

この章句が説くこと

仁順序親民万物

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る