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五常訓 / 巻之一・総論

一人心の德は、本唯仁の一理なり、又分れて、仁義禮智となる。又信を加へて五常とす。たとへば一年は唯一氣のめぐりなり。二にわかてば陰陽となる。春夏は陽なり。秋冬は陰なり。陰陽を、又わかてば、春夏秋冬の四時となり、土用を加へて五氣となるが如し。一日の内をも、二にわかてば晝夜となり、又わかてば朝晝暮夜の四となるが如し。

新字:一人心の徳は、本唯仁の一理なり、又分れて、仁義礼智となる。又信を加へて五常とす。たとへば一年は唯一気のめぐりなり。二にわかてば陰陽となる。春夏は陽なり。秋冬は陰なり。陰陽を、又わかてば、春夏秋冬の四時となり、土用を加へて五気となるが如し。一日の内をも、二にわかてば昼夜となり、又わかてば朝昼暮夜の四となるが如し。

書き下し

一人心の徳は、本唯仁の一理なり、又分れて、仁義礼智となる。又信を加へて五常とす。たとへば一年は唯一気のめぐりなり。二にわかてば陰陽となる。春夏は陽なり。秋冬は陰なり。陰陽を、又わかてば、春夏秋冬の四時となり、土用を加へて五気となるが如し。一日の内をも、二にわかてば昼夜となり、又わかてば朝昼暮夜の四となるが如し。

現代語訳

人の心の徳は、もとはただ仁という一つの理です。それがまた分かれて仁義礼智となります。さらに信を加えて五常とします。たとえば一年はただ一つの気のめぐりです。二つに分ければ陰陽となります。春夏は陽です。秋冬は陰です。陰陽をまた分ければ春夏秋冬の四季となり、土用を加えて五つの気となるようなものです。一日のうちも、二つに分ければ昼と夜となり、また分ければ朝・昼・夕・夜の四つとなるようなものです。

解説

一つの仁が二つ(仁義)、四つ(仁義礼智)、五つ(五常)へと分かれていく構造を、一年と一日の時間の分け方にたとえています。同じものを細かく分けて見ることも、まとめて一つとして見ることもできる、という朱子学の「理一分殊」に近い発想です。益軒は季節や時刻という誰にでもわかる身近な例で抽象的な理屈を説くのが得意でした。大きな目標を細かい行動に分け、また全体として見直すという考え方は、仕事の計画づくりや学び方にも応用できます。

この章句が説くこと

仁五常陰陽四季一日

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