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五行大義 / 第十九論治政

其制度法式。皆五行爲本。衣服威儀。朝廷俯仰。農桑播殖。施惠慶賜。木也。尊卑上下。制度禮式。封爵賞功。居高視遠。火也。宮室臺榭。夫婦親戚。布德含養。祿秩赦宥。土也。兵戎器械。獀狩武備。刑罰獄禁。金也。宗廟祭祀。儲積封藏。飭喪哀慕。卜筮決疑。水也。因五行而致百官。因百官而理萬事。萬事理而四海安。是政治之所由也。其居處。服御。器用所從。莫不本乎五行。乃通治道也。禮記云。春之月。天子居青陽左个。乘鸞輅。駕蒼龍。載青旂。衣青衣。服蒼玉。夏之月。居明堂左个。乘朱輅。駕赤駵。載赤旂。衣朱衣。服赤玉。中央土。居太廟太室。乘太輅。駕黃駵。載黃旂。衣黃衣。服黃玉。秋之月。居總章左个。乘戎輅。駕白駱。載白旂。衣白衣。服白玉。冬之月。居玄堂左个。乘元輅。駕鐵驪。載玄旂。衣玄衣。服玄玉。考靈曜云。春發令於外。行仁政。從天常。其時衣青。夏可以毀金銷銅。使備火。敬天之明。其時衣赤。中央土。舉有道之人。與之慮國。可以殺罪。不可起土功。犯地之常。其時衣黃。秋無毀金銅。犯陰之剛。用其時持兵。宜殺猛獸。其時衣白。冬無使物不藏。毋害水道。與氣相保。其時衣黑。家語云。

新字:其制度法式。皆五行為本。衣服威儀。朝廷俯仰。農桑播殖。施恵慶賜。木也。尊卑上下。制度礼式。封爵賞功。居高視遠。火也。宮室台榭。夫婦親戚。布徳含養。禄秩赦宥。土也。兵戎器械。獀狩武備。刑罰獄禁。金也。宗廟祭祀。儲積封蔵。飭喪哀慕。卜筮決疑。水也。因五行而致百官。因百官而理万事。万事理而四海安。是政治之所由也。其居処。服御。器用所従。莫不本乎五行。乃通治道也。礼記云。春之月。天子居青陽左个。乗鸞輅。駕蒼竜。載青旂。衣青衣。服蒼玉。夏之月。居明堂左个。乗朱輅。駕赤駵。載赤旂。衣朱衣。服赤玉。中央土。居太廟太室。乗太輅。駕黄駵。載黄旂。衣黄衣。服黄玉。秋之月。居総章左个。乗戎輅。駕白駱。載白旂。衣白衣。服白玉。冬之月。居玄堂左个。乗元輅。駕鉄驪。載玄旂。衣玄衣。服玄玉。考霊曜云。春発令於外。行仁政。従天常。其時衣青。夏可以毀金銷銅。使備火。敬天之明。其時衣赤。中央土。舉有道之人。与之慮国。可以殺罪。不可起土功。犯地之常。其時衣黄。秋無毀金銅。犯陰之剛。用其時持兵。宜殺猛獣。其時衣白。冬無使物不蔵。毋害水道。与気相保。其時衣黒。家語云。

書き下し

その制度法式は、皆五行を本と為す。衣服威儀、朝廷の俯仰(ふぎょう)、農桑播殖(はしょく)、施恵慶賜(せけいけいし)は、木なり。尊卑上下、制度礼式、封爵賞功、高きに居て遠きを視るは、火なり。宮室台榭(だいしゃ)、夫婦親戚、徳を布き養を含み、禄秩(ろくちつ)赦宥(しゃゆう)は、土なり。兵戎(へいじゅう)器械、獀狩(しゅうしゅ)武備、刑罰獄禁は、金なり。宗廟祭祀、儲積(ちょせき)封蔵、喪を飭(ととの)え哀慕し、卜筮して疑いを決するは、水なり。五行に因りて百官を致し、百官に因りて万事を理(おさ)む。万事理まりて四海安し。是れ政治の由る所なり。その居処・服御・器用の従う所、五行に本づかざるは莫し。乃ち治道に通ずるなり。礼記に云う、春の月、天子は青陽の左个(さこ)に居り、鸞輅(らんろ)に乗り、蒼竜(そうりゅう)を駕し、青旂(せいき)を載せ、青衣を衣(き)、蒼玉を服す。夏の月、明堂の左个に居り、朱輅に乗り、赤駵(せきりゅう)を駕し、赤旂を載せ、朱衣を衣、赤玉を服す。中央は土、太廟の太室に居り、太輅に乗り、黄駵を駕し、黄旂を載せ、黄衣を衣、黄玉を服す。秋の月、総章の左个に居り、戎輅に乗り、白駱(はくらく)を駕し、白旂を載せ、白衣を衣、白玉を服す。冬の月、玄堂の左个に居り、元輅に乗り、鉄驪(てつり)を駕し、玄旂を載せ、玄衣を衣、玄玉を服す、と。考霊曜(こうれいよう)に云う、春は令を外に発し、仁政を行い、天の常に従う。その時は青を衣る。夏は以て金を毀(こぼ)ち銅を銷(と)かし、火に備えしめ、天の明を敬すべし。その時は赤を衣る。中央は土、有道の人を挙げ、之と国を慮(おもんぱか)る。以て罪を殺すべきも、土功を起こして地の常を犯すべからず。その時は黄を衣る。秋は金銅を毀ちて、陰の剛を犯すこと無かれ。その時を用いて兵を持し、宜しく猛獣を殺すべし。その時は白を衣る。冬は物をして蔵せざらしむること無かれ。水道を害すること毋(な)く、気と相保つ。その時は黒を衣る、と。家語に云う、

現代語訳

その制度や法式は、みな五行を根本としている。衣服や威儀、朝廷での立ち居振る舞い、農耕と養蚕や種まき、恩恵や褒美を施すことは、木に当たる。尊卑上下の秩序、制度や礼の式、爵位を与え功を賞すること、高い所にいて遠くを見渡すことは、火に当たる。宮殿や高殿、夫婦や親戚、徳を行き渡らせて養い包むこと、俸禄や官秩、罪を赦すことは、土に当たる。兵や武器、狩猟と武備、刑罰や牢獄の禁令は、金に当たる。宗廟の祭祀、蓄えて封じ納めること、喪を整えて死者を哀しみ慕うこと、卜筮で疑いを決することは、水に当たる。五行によって百官を置き、百官によって万事を治める。万事が治まれば天下(四海)は安らかになる。これが政治のよって立つところである。天子の住まい、衣服や乗り物、用いる器物も、五行にもとづかないものはない。こうしてこそ治める道に通じるのである。『礼記』(月令)にいう。春の月には、天子は青陽(明堂の東の堂)の左の脇部屋に住み、鸞輅(鈴をつけた車)に乗り、蒼竜(青黒い大きな馬)に車を引かせ、青い旗を立て、青い衣を着て、青い玉を身に帯びる。夏の月には、明堂(南の堂)の左の脇部屋に住み、朱塗りの車に乗り、赤い駵馬(たてがみの黒い赤馬)に引かせ、赤い旗を立て、朱の衣を着て、赤い玉を帯びる。中央の土には、太廟の太室(中央の堂)に住み、大輅に乗り、黄色の駵馬に引かせ、黄色の旗を立て、黄色の衣を着て、黄色の玉を帯びる。秋の月には、総章(西の堂)の左の脇部屋に住み、戎輅(兵車)に乗り、白い駱馬(たてがみの黒い白馬)に引かせ、白い旗を立て、白い衣を着て、白い玉を帯びる。冬の月には、玄堂(北の堂)の左の脇部屋に住み、元輅(黒い車)に乗り、鉄驪(鉄色の黒馬)に引かせ、黒い旗を立て、黒い衣を着て、黒い玉を帯びる、と。『考霊曜』(『尚書考霊曜』。漢代の緯書)にいう。春は命令を朝廷の外に発して仁の政治を行い、天の常の道に従う。その時には青を着る。夏は金を壊し銅を溶かしてよく、火に備えさせ、天の明るさを敬う。その時には赤を着る。中央の土の時には、道を身につけた人を登用し、その人とともに国のことを考える。罪人を死刑にしてもよいが、土木工事を起こして地の常の道を犯してはならない。その時には黄を着る。秋は金や銅を壊して、陰の剛さを犯してはならない。その時節を用いて兵を執り、猛獣を殺すのがよい。その時には白を着る。冬は物をしまわずにおかせてはならない。水の道筋を損なうことなく、気と互いに保ち合う。その時には黒を着る、と。『孔子家語』には次のようにいう。

解説

第十九段「治政を論ず」の冒頭で、国家の制度そのものを五行に割り振る。衣服・農業・恩賞は木、身分秩序と爵位は火、宮室・家族・俸禄は土、軍事・刑罰は金、祭祀・貯蔵・喪礼・占いは水とされる。木は春の芽生えで育てることに、火は炎が上に昇り明るく照らすことから上下の秩序と遠くを見ることに、金は刃物の鋭さから武と刑に、水は冬にしまい込むことから蓄えと祖霊の祭りに結びつく、という連想の筋が見える。後半は『礼記』月令を引き、天子が季節ごとに住む部屋、車馬、旗、衣服、玉の色を五方の色に合わせて改めると述べる。月令は、時節に合った政治をしなければ天災が起こるという考えに立った篇で、漢代の時令思想の中心にある。さらに緯書の『考霊曜』で、季節ごとに行うべきこと、してはならないことを重ねる。色の秩序で政治を測るのは今から見れば形式的だが、仕事を性質で分けて担当を定め、時期に合った手を打つという発想そのものは、組織の運営にも通じる。

この章句が説くこと

五行大義治政月令時令制度

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