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五行大義 / 第十九論治政

孟春正月。東宮。衣青綵。鼓琴瑟。其兵矛。其樹柳。仲春二月。東宮。衣樂兵如前。其樹杏。季春三月。東宮。衣樂兵如前。其樹李。孟夏四月。南宮。衣赤綵。吹笙竽。其樹桃。其兵戟。仲夏五月。南宮。衣樂兵如前。其樹榆。季夏六月。中宮。衣黃綵。打大鼓。其樹梓。其兵弓。孟秋七月。西宮。衣白綵。撞洪鐘。其樹楝。其兵劍。仲秋八月。衣樂兵如前。其樹柘。季秋九月。衣樂兵如前。其樹槐。孟冬十月。北宮。衣黑綵。擊磬。其樹檀。其兵楯。仲冬十一月。北宮。衣樂兵如前。其樹棗。季冬十二月。衣樂兵如前。其樹櫟。論時令。以待嗣藏之宜。周官云。春爲牡陳。弓爲前行。夏爲方陳。戟爲前行。六月爲圓陳。矛爲前行。秋爲牝陳。劍爲前行。冬爲伏陳。楯爲前行。此武備。亦依五氣也。錄圖云。君承木而王。爲人青色。脩頸美髮。其民長身廣肩。尚仁。長。皆象木也。仁。木性也。善則時草豐茂。嘉穀竝生。鳥不胎傷。木氣盛也。失則列星滅。色亂。禾稼不登。民多壓死。木生而上出。遇土傷。則青而不得起。故壓死。承火而王。爲人赤色。大目。離爲目。故大。視明也。

新字:孟春正月。東宮。衣青綵。鼓琴瑟。其兵矛。其樹柳。仲春二月。東宮。衣楽兵如前。其樹杏。季春三月。東宮。衣楽兵如前。其樹李。孟夏四月。南宮。衣赤綵。吹笙竽。其樹桃。其兵戟。仲夏五月。南宮。衣楽兵如前。其樹榆。季夏六月。中宮。衣黄綵。打大鼓。其樹梓。其兵弓。孟秋七月。西宮。衣白綵。撞洪鐘。其樹楝。其兵剣。仲秋八月。衣楽兵如前。其樹柘。季秋九月。衣楽兵如前。其樹槐。孟冬十月。北宮。衣黒綵。撃磬。其樹檀。其兵楯。仲冬十一月。北宮。衣楽兵如前。其樹棗。季冬十二月。衣楽兵如前。其樹櫟。論時令。以待嗣蔵之宜。周官云。春為牡陳。弓為前行。夏為方陳。戟為前行。六月為円陳。矛為前行。秋為牝陳。剣為前行。冬為伏陳。楯為前行。此武備。亦依五気也。録図云。君承木而王。為人青色。脩頸美髪。其民長身広肩。尚仁。長。皆象木也。仁。木性也。善則時草豊茂。嘉穀並生。鳥不胎傷。木気盛也。失則列星滅。色乱。禾稼不登。民多圧死。木生而上出。遇土傷。則青而不得起。故圧死。承火而王。為人赤色。大目。離為目。故大。視明也。

書き下し

孟春正月、東宮。青綵(せいさい)を衣(き)、琴瑟(きんしつ)を鼓す。その兵は矛、その樹は柳。仲春二月、東宮。衣・楽・兵は前の如し。その樹は杏。季春三月、東宮。衣・楽・兵は前の如し。その樹は李(すもも)。孟夏四月、南宮。赤綵を衣、笙竽(しょうう)を吹く。その樹は桃、その兵は戟(げき)。仲夏五月、南宮。衣・楽・兵は前の如し。その樹は楡(にれ)。季夏六月、中宮。黄綵を衣、大鼓を打つ。その樹は梓(あずさ)、その兵は弓。孟秋七月、西宮。白綵を衣、洪鐘を撞く。その樹は楝(おうち)、その兵は剣。仲秋八月、衣・楽・兵は前の如し。その樹は柘(やまぐわ)。季秋九月、衣・楽・兵は前の如し。その樹は槐(えんじゅ)。孟冬十月、北宮。黒綵を衣、磬(けい)を撃つ。その樹は檀(まゆみ)、その兵は楯。仲冬十一月、北宮。衣・楽・兵は前の如し。その樹は棗(なつめ)。季冬十二月、衣・楽・兵は前の如し。その樹は櫟(くぬぎ)、と。時令を論じて、以て嗣蔵(しぞう)の宜しきを待つ。周官に云う、春は牡陳(ぼじん)と為し、弓を前行と為す。夏は方陳と為し、戟を前行と為す。六月は円陳と為し、矛を前行と為す。秋は牝陳(ひんじん)と為し、剣を前行と為す。冬は伏陳と為し、楯を前行と為す、と。此の武備も、亦五気に依るなり。録図に云う、君、木を承けて王たれば、人と為り青色、修頸(しゅうけい)美髪、その民は長身広肩にして、仁を尚ぶ。長きは、皆木に象るなり。仁は木の性なり。善なれば則ち時草豊茂し、嘉穀並び生じ、鳥は胎傷せず。木気盛んなればなり。失えば則ち列星滅し、色乱れ、禾稼(かか)登らず、民多く圧死す。木は生じて上に出づるも、土に遇いて傷つけば、則ち青くして起つを得ず。故に圧死す。火を承けて王たれば、人と為り赤色、大目。離を目と為す、故に大なり。視ること明らかなればなり。

現代語訳

孟春正月は東宮にあり、青い綾絹を着て、琴や瑟(おおごと)をかき鳴らす。その兵器は矛、その木は柳である。仲春二月は東宮にあり、衣・楽器・兵器は前と同じで、その木は杏である。季春三月は東宮にあり、衣・楽器・兵器は前と同じで、その木は李である。孟夏四月は南宮にあり、赤い綾絹を着て、笙や竽(ともに笛の類の管楽器)を吹く。その木は桃、その兵器は戟(枝刃のあるほこ)である。仲夏五月は南宮にあり、衣・楽器・兵器は前と同じで、その木は楡である。季夏六月は中宮にあり、黄色の綾絹を着て、大きな太鼓を打つ。その木は梓、その兵器は弓である。孟秋七月は西宮にあり、白い綾絹を着て、大きな鐘を撞く。その木は楝、その兵器は剣である。仲秋八月は、衣・楽器・兵器は前と同じで、その木は柘である。季秋九月は、衣・楽器・兵器は前と同じで、その木は槐である。孟冬十月は北宮にあり、黒い綾絹を着て、磬(石の打楽器)を打つ。その木は檀、その兵器は楯である。仲冬十一月は北宮にあり、衣・楽器・兵器は前と同じで、その木は棗である。季冬十二月は、衣・楽器・兵器は前と同じで、その木は櫟である、と。これは時令(季節ごとの政令)を論じて、受け継ぎしまい蔵めることの時宜に備えるものである。『周官』(『周礼』)にいう。春には牡陣(攻めの陣)を布き、弓を先頭とする。夏には方陣を布き、戟を先頭とする。六月には円陣を布き、矛を先頭とする。秋には牝陣(守りの陣)を布き、剣を先頭とする。冬には伏陣を布き、楯を先頭とする、と。この武備もまた、五つの気によっているのである。『録図』(緯書の一つ)にいう。君主が木の徳を受けて王となれば、その人となりは青い顔色で、首が長く髪が美しく、その民は背が高く肩幅が広く、仁を尊ぶ。長いというのは、みな木にかたどったものである。仁は木の性である。政治がよければ、季節の草がよく茂り、よい穀物がそろって実り、鳥は卵や雛を損なわれない。木の気が盛んだからである。政治を誤れば、並ぶ星が消え、色が乱れ、穀物が実らず、民の多くが押しつぶされて死ぬ。木は生じて上に伸び出るものだが、土に出会って傷つけられると、青いまま起き上がることができない。だから押しつぶされて死ぬのである。君主が火の徳を受けて王となれば、その人となりは赤い顔色で、目が大きい。八卦の離は目に当たるので、目が大きいのである。見ることが明らかだということである。

解説

前段に続いて、月ごとに天子のいる宮・衣の色・楽器・兵器・木を割り当てた一覧を掲げる。春は東で青と琴瑟と矛、夏は南で赤と笙竽と戟、季夏は中央で黄と大鼓と弓、秋は西で白と鐘と剣、冬は北で黒と磬と楯という具合に、四季と中央の土を五方に配するのが基本の型である。続いて陣形も季節で変え、先頭に立てる兵器まで五気に従わせる。後半の『録図』は、木徳・火徳で王となる君主の顔色や体つき、その治世の吉兆と凶兆を述べる。木徳の君は青くて首が長く、民も背が高いというのは、上に伸びる木の姿を人に映したものである。帝王の容貌が徳を表すという説は漢代の緯書に多く、王朝交代を天命で説明する五徳終始説と結びついて広まった。人の姿形から性質を読む考えは、後の人相術にも流れ込んでいる。見た目で人を決めつけることには慎重でありたいが、季節ごとに道具や装いを改めて気分を切り替える工夫は、今の暮らしにも生かせる。

この章句が説くこと

五行大義時令陣形録図木徳

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