言志四録 / 言志耋録 第三百八条 老人自養の四件
老人自養有四件。曰和易。曰自然。曰逍遙。曰流動。是也。諸激烈事皆有害。
新字:老人自養有四件。曰和易。曰自然。曰逍遥。曰流動。是也。諸激烈事皆有害。
書き下し
老人の自ら養ふに四件有り。曰く和易、曰く自然、曰く逍遥、曰く流動、是れなり。諸々の激烈なる事は皆害有り。
現代語訳
老人が自分を養うには四つのことがある。和やかで穏やかなこと、自然のままであること、ゆったりと気ままに過ごすこと、滞らずに流れ動くこと、これである。激しく強烈なことはどれも害がある。
解説
老人の自養の要点を四語にまとめた一条です。和易は心の穏やかさ、自然は作為のないこと、逍遥は『荘子』冒頭の篇名にもある、とらわれなく遊ぶこと、流動は気血や心が滞らず巡ることを指すのでしょう。儒者である一斎が道家的な言葉を自在に用いているのが興味深いところです。そして反対に、あらゆる激烈なことは害になると言います。前条で衰えの念を奮い立って破れと述べたのと矛盾するようですが、気力は保ちつつ、振る舞いは穏やかにという両面を説いていると読めます。無理を重ねずに長く力を保つ働き方を考えるうえでも示唆のある条です。
この章句が説くこと
養生和易自然逍遥流動
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