言志四録 / 言志耋録 第二百五十三条 合して一体と為す
人主宜統大體。宰臣宜執國法。文臣敷敎化。武臣厲士職。其餘小大有司各守其職掌。合以爲一體。則國不足治。
新字:人主宜統大体。宰臣宜執国法。文臣敷教化。武臣厲士職。其余小大有司各守其職掌。合以為一体。則国不足治。
書き下し
人主は宜しく大体を統ぶべし。宰臣は宜しく国法を執るべし。文臣は教化を敷き、武臣は士職を厲まし、其の余の小大の有司は各其の職掌を守り、合して以て一体と為さば、則ち国は治むるに足らず。
現代語訳
君主は大局を統べるべきである。宰相は国の法を執り行うべきである。文官は教化を広め、武官は武士の務めを励まし、その他大小の役人はそれぞれ自分の職分を守る。これらが合わさって一体となれば、国を治めることなど難しいことではない。
解説
国の統治を、役割の分担と統合として描いた一条です。君主は細部に口を出さず大局を統べ、宰相は法を執行し、文官は教化を、武官は武士の務めを担い、その他の役人はそれぞれの職掌を守る。各自が持ち場を守ったうえで一体となれば、国を治めることは難しくないと一斎は言います。「治むるに足らず」は、治めるのに手間がかからないという意味です。前条では君臣が互いの事情に通じることを説き、ここでは全体の役割配置を示しています。組織が乱れるのは、上が細部に介入したり、下が持ち場を越えたりするときです。自分の役割と他者の役割の境目を意識し、それをどうつなげているかを考えさせる一条です。
この章句が説くこと
為政役割分担組織職分統率
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