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言志四録 / 言志耋録 第二百八条 姑く其の名を与へて其の実を責む

好名之士。不可全取。又不可全舍。好名。故外飾其美。我宜姑與其名。以責其實。

新字:好名之士。不可全取。又不可全舎。好名。故外飾其美。我宜姑与其名。以責其実。

書き下し

名を好むの士は、全くは取るべからず。又全くは舎つべからず。名を好む、故に外其の美を飾る。我宜しく姑く其の名を与へて、以て其の実を責むべし。

現代語訳

名声を好む人物は、全面的に取り立ててはならないが、全面的に見捨ててもならない。名声を好むからこそ、外面ではその美点を飾ろうとする。こちらはひとまずその名を与えておいて、それによって実質を求めるのがよい。

解説

名誉心の強い人をどう用いるかという、人を使う側の知恵を述べた条です。名を好む人は、評判を気にして外面を取り繕うので、すっかり信用するわけにはいかない。しかし、評判を保とうとするその心は、裏返せば立派な行いへの動機にもなる。そこで一斎は、まず相応の名、つまり肩書きや称賛を与えておき、その名に見合う実を求めよと言います。名を与えられた者は、名に恥じまいとして努力するからです。人の欠点をそのまま長所に転じて用いる、老練な用人の術と言えるでしょう。承認欲求の強い部下を、否定するのでも放任するのでもなく、役割と期待を与えて伸ばす発想に通じます。

この章句が説くこと

用人名と実名誉心人材育成

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