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言志四録 / 言志耋録 第百八十二条 有りて無き者も人なり

有而無者。人也。無而有者。亦人也。

書き下し

有りて無き者は、人なり。無くして有る者も、亦人なり。

現代語訳

有るのに無いように見える者も人であり、無いのに有るように見える者もまた人である。

解説

わずか十数字で、人の見かけと中身のずれを言い当てた条です。『論語』泰伯篇には、曾子が顔回を評して「有れども無きが若く、実つれども虚しきが若し」と言い、述而篇には孔子が「亡くして有りと為し、虚しくして盈てりと為す」者を戒めた言葉があります。一斎はこれを踏まえ、実力や徳がありながら表に出さない人もいれば、何も持たないのに持っているように見せる人もいる、どちらも人間の姿だと言うのでしょう。前後の条が人を見る目を論じていることからも、外見と実質を取り違えるなという注意と読めます。目立つ人を過大に、控えめな人を過小に評価していないかを考える手がかりになります。

この章句が説くこと

虚実人を見る目謙虚見かけと実質

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