言志四録 / 言志耋録 第百七十一条 交道は厚と信
凡交道。勿忘厚字信字。
書き下し
凡そ交道は、厚の字、信の字を忘るること勿れ。
現代語訳
およそ人と交わる道においては、「厚(手厚さ)」の字と「信(まこと)」の字を忘れてはならない。
解説
人との交わりの要を、「厚」と「信」の二字に絞った短い一条です。厚は、相手を手厚く遇し、情を薄くしないこと。信は、言葉にうそがなく、約束を違えないこと。前条で、親族に親しまない者は他人にも疏薄だと述べたのを受けて、交わりの心得を簡潔にまとめたものと読めます。『論語』学而篇で曽子が日々省みた「朋友と交はりて信ならざるか」にも通じます。厚だけでは情に流れ、信だけでは冷たくなりがちで、二つがそろって初めて長く続く交わりになるのでしょう。取引先や同僚との関係が行き詰まったとき、この二字のどちらが欠けていたかを振り返る手がかりになる一条です。
この章句が説くこと
交友厚信人間関係誠実
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