言志四録 / 言志耋録 第百二十一条 脚無くして走る者
無筆而畫者。形影也。無脚而走者。感應也。
新字:無筆而画者。形影也。無脚而走者。感応也。
書き下し
筆無くして画く者は、形影なり。脚無くして走る者は、感応なり。
現代語訳
筆を持たずに絵を描くものは、形とその影である。足がないのに走るものは、感応である。
解説
感応の不思議を、謎かけのような対句で表した一条です。筆もないのに絵を描くのは、物の形とそれに寄り添う影。形があればそのまま影が描き出されます。足もないのに走るのは感応。一つの心の動きは、足もないのに人から人へと伝わっていきます。影が形から離れないように、感応もまた自分の心の動きから離れずについてくるということでしょう。一斎は、目に見えない心の伝わり方を、目に見える形と影に重ねて示しています。よい評判も悪い評判も、足がないのにいつの間にか広がっていく。自分の振る舞いがどこまで届いているかを想像してみる手がかりになる一条です。
この章句が説くこと
感応影響形影伝播
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