言志四録 / 言志耋録 第二十一条 悔は善悪街頭の文字
悔字。是善惡街頭文字。君子悔以遷善。小人悔以遂惡。故宜以立志率之。無復因循之弊耳。
新字:悔字。是善悪街頭文字。君子悔以遷善。小人悔以遂悪。故宜以立志率之。無復因循之弊耳。
書き下し
悔の字は、是れ善悪街頭の文字なり。君子は悔いて以て善に遷り、小人は悔いて以て悪を遂ぐ。故に宜しく立志を以て之を率ゐ、復た因循の弊無かるべきのみ。
現代語訳
「悔」という字は、善と悪の分かれ道に立つ文字である。君子は悔いて善に移り、小人は悔いて悪をやり遂げてしまう。だから立志によってこれを導き、ぐずぐずと改めずにいる弊害を二度と起こさないようにすべきである。
解説
前条の「悔」を掘り下げた一条です。悔いは善悪の分かれ道に立つ字だと一斎は言います。君子は悔いてすぐに善へ移るが、小人は悔いたことをかえって居直りのきっかけにし、悪を押し通してしまう。同じ後悔が正反対の方向に働くのです。その分かれ目を決めるのが立志であり、志があれば悔いは改善につながり、ずるずると元のやり方を続ける「因循」に陥らない、というわけです。失敗の振り返りをしても行動が変わらない組織は少なくありません。反省が次の一歩につながっているかを見極める手がかりになる一条です。
この章句が説くこと
悔い立志改過因循君子と小人
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