導師導古典を学びたいすべての人に

言志四録 / 言志耋録 第十三条 古の学者は能く人を容る

古之學者能容人。不能容人者。識量淺狹。是爲小人。今之學者見解爲累。不能容人。常人則無見解。郤能容人。何其倒置爾邪。

新字:古之学者能容人。不能容人者。識量浅狭。是為小人。今之学者見解為累。不能容人。常人則無見解。郤能容人。何其倒置爾邪。

書き下し

古の学者は能く人を容る。人を容るる能はざる者は、識量浅狭なり。是れを小人と為す。今の学者は見解累を為し、人を容るる能はず。常人は則ち見解無くして、郤つて能く人を容る。何ぞ其れ倒置なるや。

現代語訳

昔の学者は人を受け入れることができた。人を受け入れることのできない者は、見識と度量が浅く狭い。これを小人という。今の学者は自分の見解がかえって足かせとなり、人を受け入れることができない。普通の人は見解を持たないので、かえって人を受け入れることができる。何と逆さまなことではないか。

解説

学問をすれば度量が広がるはずなのに、今の学者はなまじ自説を持つためにかえって人を受け入れられない、と一斎は嘆きます。学のない普通の人のほうが寛容だというのは、まさに本末転倒だというのです。前に置かれた別存でも、林述斎が学説の細かな違いを問わない度量を語っていました。学問を積んだ者が陥りやすい狭さを、一斎は身近に見ていたのでしょう。専門性や経験は、使い方を誤ると他人の意見を退ける壁になります。知識が増えるほど聞く耳が狭くなっていないか、専門家や経験豊富な人ほど自問してみる価値のある一条です。

この章句が説くこと

度量寛容識量小人学者の弊

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る