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言志四録 / 言志晩録 別存 第三十八条 渾厚と決断

公曰。人不可無渾厚處。不可無決斷處。

新字:公曰。人不可無渾厚処。不可無決断処。

書き下し

公曰く、「人は渾厚の処無かるべからず。決断の処無かるべからず」と。

現代語訳

公(林述斎)は言った。「人には、おおらかで重厚なところがなくてはならない。また、きっぱりと決断するところがなくてはならない」。

解説

短い言葉の中に、人物の二つの資質を並べた条です。「渾厚」は角がなく、おおらかで厚みのあること、「決断」はきっぱりと断を下すことです。一見相反するようですが、渾厚だけでは優柔不断に流れ、決断だけでは狭量で鋭すぎる人になります。両方を備えてこそ、人を包み込みながら、ここぞというときに道を定めることができるというのでしょう。述斎自身、人の過ちを見捨てられない情の厚さと、「明決爽快」を説く果断さの両面を持っていたことが別存の各条からうかがえます。組織を率いる人にとって、懐の深さと決める力のどちらが今の自分に足りないかを考える手がかりになる一条です。

この章句が説くこと

渾厚決断度量人物指導者の資質

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