言志四録 / 言志晩録 第二百八十条 養生の工夫は節の一字
養生工夫。在節一字。
書き下し
養生の工夫は、節の一字に在り。
現代語訳
養生の工夫は、「節」の一字にある。
解説
一斎は、養生の要点を「節」の一字にまとめます。「節」は竹の節のように区切りをつけること、ほどよいところで止めることです。飲食を節し、言葉を節し、労働と休息を節し、欲を節する。これまでの条で説いてきた養生のさまざまな工夫が、この一字に集約されています。易には節卦があり、「節は亨る」と、節度を保つことが物事を通じさせると説かれますが、同時に「苦節は貞にすべからず」とも言い、過度の節制も戒めています。一斎の言う節も、禁欲ではなく過不足のない加減のことでしょう。働き方や心身の管理を考えるとき、何かを極端に増やしたり断ったりする前に、どこで区切りをつけるかを考える視点を与えてくれます。
この章句が説くこと
節養生節度中庸
関連する章句
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易経・彖伝「節(せつ)は亨(とお)る」。剛柔分かれて剛は中を得たり。「苦節(くせつ)は貞(てい)にすべからず」とは、其の道窮(きわ)まればなり。説(よろこ)びて以て險(けん)を行き、位に當(あ)たりて以て節し、中正にして以て通ず。天地節して四時(しじ)成る。節するに制度を以てすれば、財を傷(そこな)わず、民を害せず。
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易経・節卦周易 第六十卦。兌下坎上。易経。節は、亨る。苦節は貞にすべからず。初九、戸庭(こてい)を出でず、咎无し。九二、門庭を出でず、凶。六三、節若(せつじゃく)たらざれば、則ち嗟若(さじゃく)たり、咎无し。六四、節に安んず、亨る。九五、節を甘んず、吉、往けば尚(たっと)ばるること有り。上六、節に苦しむ、貞なれども凶、悔亡ぶ。彖に曰く、
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『春秋左氏伝』昭公元年 医和、節を説く晉侯醫を秦に求む。秦伯醫和をして之を視しむ。曰く、「疾為(をさ)む可からざるなり。是を女室に近づくと謂ふ。疾蠱の如し。鬼に非ず食に非ず、惑ひて以って志を喪ふ。良臣將に死せんとし、天命祐けず」と。公曰く、「女は近づく可からざるか」と。對へて曰く、「之を節せよ。先王の樂は、百事を節する所以なり。故に五節有り、遲速本末以って相及ぶ。中聲以って降り、五降の後は、彈ずるを容れず。是に於いて煩手淫聲有り、心耳を慆堙(たういん)し、乃ち平和を忘る。君子聽かざるなり。物も亦た之の如し。煩に至れば、乃ち舍(や)むのみ。以って疾を生ずること無し。君子の琴瑟に近づくは、以って節を儀(のっと)るなり、以って心を慆(たの)しましむるに非ざるなり。天に六气有り、降りて五味を生じ、發して五色と為り、徵(あらは)れて五聲と為る。淫すれば六疾を生ず。六气は陰・陽・風・雨・晦・明と曰ふなり。分かれて四時と為り、序して五節と為る。過ぐれば則ち菑(わざはひ)と為る。陰淫すれば寒疾、陽淫すれば熱疾。
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言志四録・言志耋録 第三百十八条 凡そ事は過度なるべからず凡そ事は過度なるべからず。人道固より然り。即ち此れも亦養生なり。
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『酔古堂剣掃』集醒・切に再び一滴を加ふるを忌む盈滿に居る者は、水の將に溢れんとして未だ溢れざるが如し、切に再び一滴を加ふるを忌む。危急に處る者は、木の將に折れんとして未だ折れざるが如し、切に再び一搦を加ふるを忌む。
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