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言志四録 / 言志晩録 第二百四十八条 操守は世俗に背くも可なり

日間鎖事。不背世俗。可。立身操守。背於世俗。可。

書き下し

日間の鎖事は、世俗に背かずして可なり。立身の操守は、世俗に背くも可なり。

現代語訳

日常の細々とした事柄については、世間の習わしに背かないのがよい。身を立てるうえでの節操や信念については、世間に背くことがあってもよい。

解説

世間との付き合い方を、事柄の大小で使い分けよと説く一条です。「鎖事」は瑣事、つまり日々の些細な事柄のことです。そうした事柄では、世間の慣習にいちいち逆らう必要はなく、周囲に合わせておけばよい。しかし自分の生き方の根幹に関わる節操や信念については、たとえ世間と違っても守り通してよい、と一斎は言います。小事で我を張り、大事で世間に流される人が少なくない中で、その逆を勧めているのです。先の「志は則ち師に譲らず」とも響き合います。日常では柔軟に周囲と協調しつつ、譲れない原則はしっかり持つ。職場の慣行に合わせることと、倫理や信念を曲げることの境目をどこに引くか、自分なりの線を考える手がかりになります。

この章句が説くこと

操守世俗信念柔軟性節操

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