言志四録 / 言志晩録 第二百四十四条 長を取りて短を舎つ
人各有所長。有所短。用人宜取長舍短。自處則當忘長以勉短。
新字:人各有所長。有所短。用人宜取長舎短。自処則当忘長以勉短。
書き下し
人各々長ずる所有り、短なる所有り。人を用ふるには宜しく長を取りて短を舎つべし。自ら処するには則ち当に長を忘れて以て短を勉むべし。
現代語訳
人にはそれぞれ長所があり、短所がある。人を用いるときは長所を取り、短所は捨ておくのがよい。自分自身については、長所を忘れて短所を補うよう努めるべきである。
解説
人の長所と短所への向き合い方を、他人と自分とで逆にせよと説く一条です。人を用いるときは長所を生かし、短所には目をつぶる。自分自身に対しては長所を誇らず、短所を克服するよう努める。多くの人はこれを逆にして、他人の短所をあげつらい、自分の長所に安住しがちです。他人に寛く自分に厳しく、という姿勢を、人材の用い方という実務の言葉で述べています。次の条でも、自分の短所を挙げて人に教えを乞えと続けます。一斎は為政者に仕える儒官として、人をどう用いるかに強い関心を持っていました。部下の評価面談で短所の指摘に時間を割いていないか。自分の強みにあぐらをかいていないか。両面から点検する材料になります。
この章句が説くこと
用人長所と短所人材活用自己修養寛容
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