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言志四録 / 言志晩録 第二百三十条 助長して生気を戕ふ勿れ

父道貴嚴。但育幼之方。則宜從其自然而利道之。勿助長以戕生氣。可。

新字:父道貴厳。但育幼之方。則宜従其自然而利道之。勿助長以戕生気。可。

書き下し

父の道は厳を貴ぶ。但だ幼を育つるの方は、則ち宜しく其の自然に従ひて之を利道すべし。助長して以て生気を戕ふこと勿くして可なり。

現代語訳

父としての道は厳しさを重んじる。ただし幼い子を育てる方法としては、その自然の成り行きに従い、よい方向へ導いてやるのがよい。無理に伸ばそうとして、子の生き生きとした気をそこなわないようにするのがよい。

解説

前の条の「厳中に慈を存す」を受けて、幼い子の育て方に限定して補った一条です。父は厳しさを重んじるが、幼い子には自然の成長に沿って導くのがよいと一斎は言います。「利道」は利導、つまり本人の持つ力が伸びる方向へ導くことです。「助長」は『孟子』で、苗の伸びが遅いのを憂えて引っ張り、枯らしてしまった宋の人の話に拠ります。早く伸ばしたいと焦って手を加えると、かえって子の生気を損なってしまう。先の「道を求むるは懇切を要し、迫切を要せず」と同じ考え方が子育てにも現れています。新人や若手の育成でも、早く一人前にしようと詰め込みすぎて意欲を失わせることがあります。本人の伸びる向きを見極めることが問われます。

この章句が説くこと

子育て助長自然人材育成厳と慈

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