導師導古典を学びたいすべての人に

言志四録 / 言志晩録 第二百十八条 学は心事合一を要す

學須要心事合一。吾做一好事。自以爲好。因要人知其好。是即矜心不除。便是心事不合一。

新字:学須要心事合一。吾做一好事。自以為好。因要人知其好。是即矜心不除。便是心事不合一。

書き下し

学は須らく心事合一なるを要すべし。吾一の好事を做し、自ら以て好しと為し、因りて人の其の好きを知らんことを要す。是れ即ち矜心除かれず、便ち是れ心事合一ならざるなり。

現代語訳

学問には、心と行いが一つになっていることが必要である。自分が一つ善いことをして、自分でそれを善いと思い、そこで人にもその善さを知ってもらいたいと求める。これはつまり誇る心が除かれていないのであり、心と行いが一つになっていないということである。

解説

善い行いをしたあとに、それを人に知ってほしいと思う。ごく自然な感情ですが、一斎はそこに「矜心」、つまり誇りたがる心が残っていると見ます。行いは善くても、心の側が別のもの、たとえば評価や称賛を向いているなら、心と事は一致していません。これは陽明学の知行合一にも通じる考え方で、形だけの善行と、心から出た善行とを厳しく区別しています。『言志録』の「事を作すには天に事ふるの心あるを要す。人に示すの念あるを要せず」とも響き合います。成果をアピールすることが求められる現代の職場では、知ってほしいと思うこと自体を否定するのは難しいでしょう。ただ、行いの動機がどこにあるのかを一度見つめ直すきっかけにはなります。

この章句が説くこと

心事合一矜心知行合一謙虚動機

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る