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言志四録 / 言志晩録 第二百十六条 存養は急遽の時に験す

存養之足不足。宜於急遽時事自驗。

新字:存養之足不足。宜於急遽時事自験。

書き下し

存養の足ると足らざるとは、宜しく急遽の時の事に於て自ら験すべし。

現代語訳

心を保ち養う工夫が足りているかどうかは、慌ただしく差し迫った時の出来事に当たって、自分で確かめるのがよい。

解説

前の条で、得意と失意のときの言動に修養の不足が見えると述べたのを受けて、その確かめ方を示した一条です。平穏な時には誰でも落ち着いていられます。しかし急な事態に直面すると、ふだん隠れている心の地金が出ます。うろたえるのか、声を荒げるのか、それとも静かに次の手を考えられるのか。存養とは、心を失わずに保ち、善い本性を養い育てることで、朱子学の修養の中心をなす工夫です。一斎はその成果を、書物の理解ではなく、差し迫った場面での自分の振る舞いで測れと言います。トラブル対応や締め切り間際の現場は、能力だけでなく心の備えも試される場です。そのときの自分を後から振り返ることが、そのまま修養の点検になります。

この章句が説くこと

存養修養平常心危機対応自省

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