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言志四録 / 言志晩録 第百八十二条 聞と達

管絃在堂。聲聞四方。聞也。巖石倒谷。響徹大地。達也。

新字:管絃在堂。声聞四方。聞也。巖石倒谷。響徹大地。達也。

書き下し

管絃堂に在りて、声四方に聞こゆるは、聞なり。巌石谷に倒れて、響大地に徹するは、達なり。

現代語訳

管弦の楽器が堂の上で奏でられ、その音が四方に聞こえるのは「聞(評判)」である。大岩が谷に崩れ落ち、その響きが大地の底まで貫き通るのは「達(真に通じること)」である。

解説

『論語』顔淵篇で、子張が「国にいても家にいても必ず評判になること」を「達」だと答えたのに対し、孔子が「それは聞であって達ではない」と退けた問答を、一斎が二つの音の比喩で描き分けた条です。堂上の管弦は美しく四方に広がりますが、空中に響くだけで地には届きません。谷に落ちる巨岩の響きは、華やかさはなくとも大地の底まで貫きます。聞は外に向かって広がる名声、達は実質が深く人や物事に通じることです。次の条の「寧ろ実響有るも、虚声有ること勿れ」へとつながります。発信の広さや反響の数に目を奪われがちな時代に、自分の仕事がどこまで深く届いているかを問い直させる比喩です。

この章句が説くこと

聞と達名声実質評判影響力

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