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言志四録 / 言志晩録 第百三十一条 利を興すは害を除くに如かず

賑財。不如免租。興利。不如除害。

書き下し

財を賑はすは、租を免ずるに如かず。利を興すは、害を除くに如かず。

現代語訳

財物を施して民を救うことは、租税を免除することには及ばない。利益を新たに起こすことは、害を取り除くことには及ばない。

解説

わずか十数字の中に、政治の優先順位を示した一条です。困っている民に金品を施すより、そもそも租税を免じて負担を軽くするほうがよい。新しい利益を興すより、今ある害を取り除くほうがよい。元の耶律楚材の「一利を興すは一害を除くに如かず」という言葉がよく知られており、一斎もその系譜に立っています。施しや新事業は目立ち、行う側の功績にもなりますが、負担の軽減や害の除去は地味で評価されにくいものです。それでも受け手にとっての効き目は後者のほうが大きい。新しい施策を足す前に、現場を妨げているものを取り除けないかを先に考える、という順序の感覚を示してくれます。

この章句が説くこと

為政除害負担軽減優先順位民政

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