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言志四録 / 言志晩録 第百八条 梓弓

我邦自古長弓箭。然於古皆木弓。即所謂梓弓。或謂木弓騎上最便。須査。

書き下し

我が邦は古より弓箭に長ず。然れども古に於ては皆木弓なり。即ち所謂梓弓なり。或は謂ふ、木弓は騎上に最も便なりと。須らく査すべし。

現代語訳

わが国は昔から弓矢に長じている。しかし古くはみな木で作った弓であった。いわゆる梓弓がそれである。ある人は、木の弓は馬上で使うのに最も便利だという。調べてみなければならない。

解説

日本の弓の歴史についての覚え書きのような条です。日本は古来弓矢に長じた国ですが、古くは梓などの一木で作った丸木弓で、和歌の枕詞にもなった梓弓がそれです。後世には竹と木を貼り合わせた弓が主流になりました。ある人が、木弓は馬上で扱うのに最も便利だと言ったのを受け、一斎は「須らく査すべし」、確かめなければならないと記します。老境にあっても、聞いた説をそのまま信じず、事実を調べようとする姿勢が見えます。この「須査」は次の条にも出てきます。耳にした話を鵜呑みにせず、確かめるべきこととして書き留めておく。情報があふれる今、その習慣の大切さを思わせる一条です。

この章句が説くこと

弓矢武備検証考証伝統

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