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言志四録 / 言志晩録 第九十四条 護身の堅城

執乙於甲。藏甲於乙。謂之護身之堅城。

新字:執乙於甲。蔵甲於乙。謂之護身之堅城。

書き下し

乙を甲に執り、甲を乙に蔵す。之を護身の堅城と謂ふ。

現代語訳

乙(二の備え)を甲(一の備え)の中に保ち、甲を乙の中に隠しておく。これを身を守る堅固な城という。

解説

短く謎めいた一条で、甲と乙が何を指すかは読み方が分かれます。武芸や兵法の文脈に置かれていることから、一つの構えの中にもう一つの構えを含ませ、互いに相手の中に隠し持つことを言うのでしょう。攻めの中に守りを、守りの中に攻めを備えるとも、表の備えの中に裏の備えを蔵すとも読めます。一方だけに頼れば、それが破られたときに崩れますが、甲と乙とが互いに含み合っていれば、どちらかが破られても身は守られる。それが「護身の堅城」だというのです。後の条で一斎は「天地間の事物必ず対有り」とも述べています。計画に代替案を組み込み、強みの中に備えを持つという発想に通じる一条です。

この章句が説くこと

護身備え攻守兵法相互補完

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